LG生活健康が展開した「足を洗おう」シリーズ新商品のプロモーション広告が、思わぬ批判を浴び、不買運動の兆しを見せています。原因は、起用したインフルエンサーの過去の男性嫌悪的な発言。企業の対応と今後の行方に注目が集まっています。
インフルエンサー起用が物議を醸す
LG生活健康は2月7日、X(旧Twitter)でフォロワー27万人を抱えるインフルエンサー「ジンス」氏と提携し、「足を洗おう」シリーズの広告を公開しました。「足を洗おう」は、LG生活健康の人気足専用洗浄製品ブランド。しかし、ジンス氏は過去に「身長160cm台の男性は人として女性の紹介を受けるべきではない」といった男性蔑視ともとれる発言で物議を醸した人物。さらに、同徳女子大学の男女共学化反対デモへの支持表明でも批判を受けていました。
LG生活健康「足を洗おう」シリーズの広告イメージ
この起用に対し、オンライン上では賛否両論が巻き起こりました。一部のネットユーザーからは、男性嫌悪発言で問題視されたインフルエンサーを起用したLG生活健康への抗議や、「足を洗おう」製品の不買運動を呼びかける声が上がりました。LG生活健康は当初、「ジェンダー対立を引き起こす意図は一切なく、インフルエンサーの過去の男性嫌悪発言は認識していなかった」と回答したとされています。
広告削除と謝罪、それでも残る火種
批判の高まりを受け、LG生活健康は問題の広告を削除し、公式に謝罪。インフルエンサーのジンス氏も「企業に迷惑をかけて申し訳ない。自分の発言が企業に影響を与える可能性を認識していなかった」と謝罪しました。LG生活健康は、「担当者として毎日緊張感を持ってモニタリングしていたが、週末にコミュニティ投稿で問題を確認し、驚きのあまり該当アカウントと協議の上、当日中に広告を削除した」と説明しています。
しかし、この対応にも批判の声は収まりません。一部のユーザーは、特定のネットユーザーの指摘で迅速に対応したことに疑問を呈し、「こんな対応では男性は商品を買わないだろう。代替品はいくらでもある」といった声や、「男性中心コミュニティの抗議で広告が削除されたのは事実か? 今後、不買運動をするべきだ」といった声も上がっています。
専門家の見解
マーケティングコンサルタントの佐藤一郎氏(仮名)は、「今回の件は、インフルエンサーマーケティングのリスクを改めて浮き彫りにしました。インフルエンサーの過去の言動や価値観を精査せずに起用することは、企業イメージを大きく損なう可能性があります。企業は、より慎重な選定とリスク管理が求められます」と指摘しています。
今後の展開は?
LG生活健康の対応にも関わらず、依然として批判の声は残っており、不買運動の動きも出ています。この騒動が企業イメージや業績にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目が集まります。