地方の宝探し:眠れる金製品を狙うバイヤーたちの熱狂

金価格の高騰が続く中、眠れる金製品に熱い視線が注がれています。指輪やネックレスといった定番はもちろん、眼鏡のフレームまで、あらゆる金製品が宝探しの対象となっています。かつて地方の時計店や宝飾店に並んでいた、埃をかぶったままの金製品が、今、大きな価値を持つようになったのです。

地方都市の時計店、宝飾店は宝の山?

近年の金価格高騰は、歴史的なレベルに達しています。5年前と比べて数倍にもなった相場を受け、以前購入した金製品を売却することで、大きな利益を得られるケースが増えています。買取業者には連日、金製品の持ち込みが相次いでいるといいます。

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この状況に目をつけたのが、金製品を安く仕入れて転売するバイヤーたちです。彼らは地方都市の時計店や宝飾店をターゲットに、長年売れ残った在庫品を狙っています。数十年前の価格で販売されている金製品は、現在の地金価格と比較すると、大きな差額が生じている場合があるのです。例えば、現在なら地金だけで5万円の価値がある指輪が、2万円で売られていることもあるといいます。

漁村に眠る金製品の秘密

実際に地方を巡るバイヤーに話を聞きました。彼らによると、地方の漁村にある宝飾店や時計店は特に狙い目とのこと。漁村では、大都市では見かけないような重量感のある喜平ネックレスが眠っていることが多いそうです。

かつて景気が良かった時代、羽振りの良い漁師たちは金製品を身につけることがステータスでした。その名残で、地方の宝飾店には高価な金製品が数多く残っているのです。能登半島や房総半島、静岡県などの漁港を抱える地域は、バイヤーたちの格好のターゲットとなっています。

宝石鑑定士の山田一郎氏(仮名)は、「地方の宝飾店は、金相場の変動に気づいていない店主も多い。そのため、市場価値よりもはるかに安い価格で金製品を販売しているケースがある」と指摘します。

競争激化と新たな宝探し

しかし、近年はバイヤー間の競争も激化しています。特に中国人のバイヤーが大量に買い占めるケースが目立ち、以前ほどの旨味はなくなっているといいます。

それでも、地方の寂れた時計店に足を運べば、昔の値札のままの金製品を発見できる可能性は残っています。まるで宝探しゲームのような感覚で、地方巡りを楽しむバイヤーもいるようです。

まとめ:金製品ブームはまだまだ続く

金価格の高騰は、地方経済にも影響を与えています。眠れる金製品が掘り起こされることで、地域経済の活性化につながる可能性も秘めていると言えるでしょう。今後も金製品ブームは続き、バイヤーたちの宝探しはますます熱を帯びていくことでしょう。