維新、与党協議進展の裏に「交渉人」 前原共同代表が頼った前執行部の遠藤敬前国対委員長


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「自民との交渉をお願いしたい」

1月末、与党との協議の膠着(こうちゃく)状態に焦りを募らせていた前原氏は、前執行部の一人の携帯電話を鳴らし、こう依頼した。電話口の人物は条件として、盟友である馬場伸幸前代表に「仁義を切ってほしい」と伝え、要請を受け入れた。前原氏が頼ったのは、永田町と霞が関に幅広い人脈を持つ遠藤敬前国対委員長だった。

少数与党の石破政権にとり、予算案や重要法案の成立には野党の賛同が欠かせない。与党は昨秋の衆院選で躍進した国民民主とは所得税が発生する「年収103万円の壁」の引き上げなどで協議を続ける一方、維新とも教育無償化について交渉してきた。だが、年が明けても状況は進展しなかった。

前原、遠藤両氏は1月27日夜、森山裕幹事長ら自民幹部と東京都内の和食店で会合し、今後の協議の進め方について考え方をすり合わせた。前原氏は30日夕には注文通り、馬場氏の国会事務所を訪ね、「遠藤氏に与党との交渉を任せたい」と頭を下げた。

遠藤氏が極秘で加わってから、状況は一変。与党との方向性が共有できたことで交渉が進み、省庁も巻き込んで具体的な協議が加速していった。政府関係者も「ものすごい勢いで維新との作業が進んでいる」と舌を巻く。

ただ、予算案の審議が大詰めを迎える中、交渉は再び暗礁に乗り上げつつある。14日には103万円の壁を巡り、公明と国民民主がタッグを組む新しい動きも出てきた。予算案への賛否を巡って党内の調整も大きな課題となっており、「交渉人」の真価が問われてくる。(千田恒弥)



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