■5曲新録音 作詞も手がけ
「木綿のハンカチーフ」(昭和50年)の大ヒットなどで知られる歌手の太田裕美(64)がデビュー45周年を迎え、その記念作「ヒロミ☆デラックス」を発表した。24日には、45年の軌跡を振り返る特別企画のコンサートも開く。乳がんの治療中だが、仕事と両立させる。「人生修行中です」。ふふふと笑って、新しい一歩を踏み出す。(石井健)
昭和49年の11月1日にシングル「雨だれ」で歌手デビューした。「長いなあ」と振り返る45年は、たくさんの「奇跡」が積み重なった「軌跡」だという。そんな思いを込めた記念作は、「ステキのキセキ」という新曲で幕を開ける。自分で歌詞を書いた。これまでに出したシングル31曲のうち15曲の題名をちりばめた。
記念作は12曲収録で、「ステキのキセキ」を含む5曲が新録音。「木綿のハンカチーフ」と「さらばシベリア鉄道」(55年)を歌い直しているのも話題だ。持ち歌を歌い直すのは、これが初めて。伴奏は、テレビでも活躍するバイオリン奏者、高嶋ちさ子(51)の五重奏団。
この他、ドラマ「ひよっこ」の挿入歌「恋のうた」など、アルバム初収録の既存曲を7曲集めた。
「いまの太田裕美が山盛りで入っているから、デラックスという題名に」
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詞曲ともに手がけた「桜月夜」という新曲では、未来の希望を信じようと歌う。7月に乳がんの手術を受けたことを、9月に公表した。
「2月に書いた歌詞。とても元気で、病気だなんて思いもしなかった頃でしたが、今思うと自分への応援歌みたいですよね。神様が書かせてくれたのかも…」
8月から抗がん剤治療を受けている。仕事は続ける。
「治療を受けながら仕事をしている方は大勢いらっしゃいます。病気とうまく付き合えば普通に生活はできます。人生修行中というところでしょうか」といってふふふと笑う。