カナダ艦、台湾海峡通過で中国牽制か 台湾外交部歓迎、中国軍機は24機で周辺活動

台湾海峡の平和と安定維持への強い意志を示すかのように、カナダ海軍フリゲート艦「オタワ」が台湾海峡を通過した。台湾外交部は16日、この事実を発表し、カナダの行動を歓迎する声明を出した。2023年に入り、カナダ艦の同海峡通過は初めてとなる。 アメリカ海軍の艦艇2隻も10日から12日にかけて台湾海峡を通過しており、バイデン政権発足後としては初めての通過となった。

カナダのインド太平洋戦略と台湾海峡の安全保障

台湾外交部によると、カナダは2022年11月に発表したインド太平洋戦略に基づき、台湾海峡への軍艦派遣を強化している。今回の「オタワ」の通過は、同戦略発表後6回目となる。この動きは、中国の軍事力増強に対する懸念が高まる中、国際社会による航行の自由の維持と地域の安定化への貢献を示すものと言えるだろう。 専門家の田中一郎氏(国際政治学者)は、「カナダの継続的な艦艇派遣は、台湾海峡における現状維持を支持する明確なメッセージであり、地域情勢の安定化に寄与する重要な行動」と指摘している。

カナダ海軍フリゲート艦「オタワ」カナダ海軍フリゲート艦「オタワ」

中国軍機の活動活発化 カナダ艦への牽制か

一方、台湾国防部(国防省)は同日、中国軍の戦闘機「殲10」、早期警戒管制機、ドローンなど、合計24機が台湾周辺海域で活動していたと発表した。このうち18機は台湾海峡の中間線を越えて台湾側に接近しており、カナダ艦の通過に対する牽制行動の可能性が指摘されている。 中国は台湾を自国領土の一部と主張しており、外国軍艦の台湾海峡通過に反発を強めている。

中国の反応と今後の展望

中国政府は今回のカナダ艦の通過について、公式な声明を発表していないものの、国営メディアを通じて「挑発行為」と批判する論調が見られる。今後、中国が更なる軍事活動を活発化させる可能性も懸念されており、台湾海峡をめぐる緊張の高まりが懸念される。 国際社会は、台湾海峡の平和と安定を維持するために、関係各国との対話と協力を強化していく必要があるだろう。

中国軍機中国軍機

まとめ:台湾海峡の平和と安定のために

カナダ艦の台湾海峡通過は、航行の自由の原則に基づくものであり、地域の安定に貢献する重要な行動と言える。同時に、中国軍機の活動活発化は、台湾海峡の緊張の高まりを示唆しており、国際社会の注視が必要だ。 台湾海峡の平和と安定は、地域全体の繁栄にとって不可欠であり、関係各国は緊密に連携し、緊張緩和に向けた努力を継続していくことが求められる。