東北地方で親しまれてきたスーパーマーケット35店舗が、2024年2月24日までに次々と閉店しました。これは、伏見屋(秋田県仙北市)、本間物産(山形県遊佐町)など4社が、ドラッグストア大手のクスリのアオキ(石川県)に事業を譲渡したためです。閉店した店舗は、4月以降順次アオキの店舗として再オープンし、食品販売を強化したドラッグストアへと生まれ変わります。今回の大規模な事業譲渡は、東北地方の消費者に大きな影響を与えると予想されます。
閉店したスーパーと今後の展開
閉店したスーパーは、「フレッシュフードモリヤ」「スーパービッグ」「マルホンカウボーイ」「サン・マルシェ」など、東北4県(岩手、宮城、秋田、山形)に展開していた地域密着型の店舗です。仙台市では、プロマート今泉店(若林区)が2月5日、フレッシュフードモリヤ大学病院前店(青葉区)が2月10日に閉店。モリヤ旭ケ丘店(青葉区)も2月23日に営業を終了しました。
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クスリのアオキは、これらの店舗を段階的に改装し、食品販売に力を入れた「クスリのアオキ」として再オープンする予定です。宮城県内では、マルホンカウボーイ村田店(村田町)が4月中に再オープンし、11月頃にリニューアルオープンを予定しています。その他、角田店、サン・マルシェ大河原店と荒井店、スーパービッグ六丁の目店、フレッシュフードモリヤ落合店と旭ケ丘店も5月中にクスリのアオキとして再出発する見込みです。
クスリのアオキの戦略と展望
クスリのアオキは1985年に設立され、2020年以降、全国の地方スーパーのM&Aを積極的に展開しています。2025年には1000店舗達成を目標に掲げており、今回の事業譲渡により東北地方での店舗網をさらに拡大することになります。特に、秋田県への初進出は大きな一歩となるでしょう。
アオキHDの担当者は、「採算性だけでなく、競争環境や土地条件も考慮し、改装オープンする店舗を検討している。伏見屋グループとアオキのノウハウを融合させ、利便性の高い店舗づくりを目指す」とコメントしています。地域の食料品供給に大きな変化をもたらす今回の事業譲渡。消費者の動向、そしてアオキの戦略が注目されます。
閉店したスーパーマーケット一覧
マルホンカウボーイ
- 宮城県:気仙沼店、佐沼店、白石店、白石東店、角田店、村田店
- 岩手県:二戸店、宮古店
- 秋田県:本荘店、大館店、ベル比内店、鹿角店、花輪店、鷹巣店
- 山形県:酒田店、新庄店、米沢店、三川店、マルホンマート本楯店、マルホンマート八幡店、マルホンプラスエスモール店
サン・マルシェ
- 宮城県:川崎店、大河原店、荒井店
スーパービッグ
- 宮城県:丸森店、おおくま店、六丁の目店、原町店
フレッシュフードモリヤ
- 宮城県:落合店、長町店、大学病院前店、旭ケ丘店、沖野店
その他
- フレッシュマート元気屋道の駅おおさと前店
- プロマート今泉店
東北地方の食品スーパーマーケット業界の再編は、今後も続く可能性があります。食の安全・安心、そして地域経済への影響など、様々な視点から今後の動向を見守る必要があります。 専門家の意見として、流通アナリストの小笠原氏は「地方スーパーの経営環境は厳しさを増しており、M&Aは今後も加速するだろう。消費者は利便性だけでなく、地域への貢献度も考慮して店舗を選ぶ時代になるだろう」と指摘しています。