ロシア、プーチン・ゼレンスキー会談に条件提示:ラブロフ外相「事前解決が不可欠」

ロシアのラブロフ外相は21日、ウラジーミル・プーチン大統領がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との会談自体には前向きであるものの、事前に全ての懸案事項が解決されていることが不可欠であるとの認識を示しました。同時に、合意文書に署名するウクライナの代表者としてのゼレンスキー氏の正当性に対し、改めて疑義を呈しました。この発言は、停滞する和平交渉の複雑さを浮き彫りにしています。

ロシアの会談条件とゼレンスキー氏の正当性への疑義

ラブロフ外相は、プーチン大統領とゼレンスキー大統領との会談について、「全ての問題について事前に最高レベルでの検討がなされ、専門家や閣僚が適切な提言を準備することになる」と述べ、包括的な事前協議の必要性を強調しました。さらに、ゼレンスキー氏の大統領任期が2024年5月に満了予定だったにもかかわらず、戦闘の継続により大統領選挙が延期されている状況を受け、ロシア側はゼレンスキー氏の「正当性」に繰り返し疑問を呈しています。ロシア当局は、仮にゼレンスキー氏が合意文書に署名したとしても、将来のウクライナ指導者がその合意に異議を唱える可能性を懸念しており、これが和平交渉を進める上での大きな障害となっています。ウクライナ政府はゼレンスキー氏が合法的な大統領であると強く主張しています。

モスクワで会談条件を語るロシアのラブロフ外相モスクワで会談条件を語るロシアのラブロフ外相

トランプ氏の3者会談提案とウクライナの反応

米国のドナルド・トランプ前大統領は、プーチン、ゼレンスキー両大統領と自身を交えた3者会談の開催を提案しており、国際社会の注目を集めています。これに対し、ゼレンスキー大統領は今週、もしプーチン大統領が二国間会談に応じない場合、米政権による「強い対応」を望むと発言し、米国に積極的な介入を求めました。ウクライナ側は、ロシアとの直接対話の実現に向け、国際的な圧力を重視する姿勢を示しています。

欧州諸国の慎重な姿勢と安全保障の検討

一方、欧州の首脳らは、プーチン大統領の和平への姿勢に対し、依然として懐疑的な見方を示しています。しかしながら、紛争終結後のウクライナに対する「安全の保証」の枠組みについては検討を進めており、長期的な地域の安定に向けた具体的な支援策を模索しています。国際社会は、ウクライナ情勢の打開と和平への道筋を慎重に見守っています。

結論

ロシアのラブロフ外相の発言は、プーチン大統領とゼレンスキー大統領の会談実現には依然として高いハードルが存在することを示しています。特に、事前の問題解決とウクライナ側の代表者の「正当性」を巡る問題は、今後の和平交渉において重要な焦点となるでしょう。国際社会からの様々な会談提案や、ウクライナの安全保障に関する議論が続く中、複雑な国際政治の中で真の和平への道筋を見つけるための努力が求められています。

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