会社員Aさん(45)は先日、9年間乗ったグレンジャーをジェネシスG80に変えた。もともと10年を満たす考えだったが、車が古くなり耐久性部品の交換費用が増えたうえ、新型コロナ感染拡大で計画していた海外旅行に行けなくなり、自動車購入資金に回した。Aさんは「国内旅行は行けないが、家族とドライブをしながら気分転換ができていい」と話した。
今年、韓国国内の自動車販売が18年ぶりに160万台を超える見込みだ。新型コロナで景気が悪化した中でも新車の購買が増えたためだ。新車購買者は「消費の優先順位が変わった」と話す。
現代・起亜自動車、韓国GM、ルノーサムスン、双龍自動車の国内自動車5社は今年1-11月の新車販売台数が147万3974台となった。これは前年同期(138万8327台)比6.2%増。
韓国の国内自動車販売は過去5年間、150万台ほどだった。国内自動車販売は2002年に週5日勤務制の施行とRV(レクリエーショナル・ビークル)の増加で162万868台となって以降、160万台を超えていない。
自動車業界では国内販売が突然増えたのにはいくつか原因があるとみている。個別消費税引き下げ延長と韓国自動車企業の「ゴールデンサイクル(新車販売が集中する時期)」が重なったうえ、新型コロナで旅行消費が減少して自動車購買につながったのが最も大きな原因に挙げられる。
11月末現在、ブランド別の今年の国内販売を見ると、起亜自動車が51万3543台を販売し、前年同期(47万1075台)比9%増えた。伝統的に現代車の同級車種に劣勢の起亜車だが、K5やソレントなどが相次いで販売され、成果を出している。現代車も71万9368台を販売し、同比6.5%増えた。
外資系自動車ブランドではルノーサムスンの成長が目立った。国産車で唯一のクーペ型SUVのXM3が人気で、中型SUVのQM6も販売好調だ。ルノーサムスン車は1-11月の販売台数が8万7929台と、前年同期比で14.4%も増えた。韓国GMも7万3695台と同比8.9%増。
自動車5社のうち唯一、前年比で販売が減少したブランドは双龍車。双龍車は1-11月の販売台数が7万9439台と、前年同期比18.3%減少した。