カナダ東部トロントのピアソン国際空港で17日、米中西部ミネアポリス発のデルタ航空機が着陸に失敗し、機体の上下がひっくり返る事故があった。空港によると、乗員・乗客80人のうち18人が負傷した。死者はいなかった。カナダメディアは、子供1人を含む3人が重傷と伝えている。
米メディアが報じた乗客撮影の映像では、滑走路付近で煙を上げる旅客機から、乗客が歩いて脱出する様子が捉えられている。乗客の一人は、米CNNの取材に「あっという間に機体がひっくり返り、強い衝撃があった」と証言。座席とシートベルトで「つり下げられた」ような状態から急いで抜け出したと語った。
事故の理由は明らかになっていない。カナダメディアが報じた空港管制の音声によると、着陸許可を出した後に、管制から旅客機に対して急激な気流の変化を警告していた。当時は強風で、滑走路周辺にも雪が積もっていた。
記者会見した空港の責任者は、緊急時に備えて訓練をしてきた全ての関係者の「英雄的な働き」で死亡事故を免れたとの見方を示した。カナダの運輸安全委員会は調査チームを派遣したと発表した。【ニューヨーク八田浩輔】