北東部バイーア州で14歳の少年が、死んだ蝶と水を混ぜた液体を注射器で足の静脈に注射し、その数日後に死亡するという奇妙で衝撃的な事件が発生し、国内を震撼させている。少年は亡くなる直前に、SNSで挑戦提案を見てそれを達成するために「実験」を実行したことを明かしており、この事件はネット社会が引き起こすリスクの一端を浮き彫りにしたと18日付テラなどが報じた。
事件は同州内陸部のプラナルト市で発生した。ダヴィ・ヌネス・モレイラさんが足を引きずって歩いているのを父親が発見し、理由を尋ねたところ、「遊んでいる最中に怪我をした」と答えたという。
だがその一週間後、ダヴィさんが嘔吐や下痢などの症状を訴えたため、父親が市立病院に連れて行った。そのまま入院し、7日後にヴィトリア・ダ・コンキスタ市の総合病院(HGVC)に転院し治療を続けていたが、13日に息を引き取った。
少年は医師に対して蝶を潰し、その残骸を水に混ぜた液体を、薬局で購入した注射器を使って自分の足に注射したと説明。インターネットで見たチャレンジを達成するために、蝶を右足に注射したと明かした。州警察はこの事件を捜査しており、死因を特定するために鑑識結果を待っている。
17日付G1記事によると、蝶は他の昆虫と同様に、捕食者から自分を守るために有毒な物質を持っているが、その毒素の量は通常、人間の健康に危険を及ぼすほど多くはないとされている。したがってダヴィさんの死因は、蝶の毒素によるものではなく、体内に注入した不衛生な液体による感染症である可能性が高いと疑われている。
カンピーナス州立大学蝶類研究所のアンドレ・ヴィクトール・ルッシ・フレイタス所長は、「我々の体は、皮膚や消化器系で細菌、ウイルス、原生動物に対して自然な防御機構を持っている。だが、注射によってこれらのバリアを突破すると、微生物は迅速に広がるための有利な環境に入ってしまう」と説明した。
一方、ブラジル小児科学会(SBP)の外的原因予防・対策部門長のルシ・フェイフェル氏は、18歳未満のネット利用は、児童期や思春期に悪影響があり、国家による規制が必要であると主張している。「今日、誰でも自傷行為や自殺に関する情報にアクセスできる状況にある」と指摘。「挑戦」や「危険な遊び」として紹介されるコンテンツが、子どもたちを傷つけ、最悪の場合には命を奪う可能性があると警告。学校内においても、グループに属したいという期待から、子どもが有害なチャレンジに従うことがあり、それが精神的・身体的健康に害を及ぼすことがあると警鐘を鳴らしている。