《みずほ貸金庫窃盗》「昼ごろに役員からメールが来て…」現役行員が明かした、支店対応の内幕


支店長すら把握していなかった

そう語るのは、みずほ銀行で働く現役行員・北村泰夫さん(仮名)だ(以下、「」内は同氏)。

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みずほ銀行は2月18日、元行員が貸金庫の顧客資産を盗んでいたと発表。被害にあった顧客は2人で、被害総額は数千万円にのぼるという。2019年に被害が発覚した後、元行員は懲戒処分されている。

公表された同行のリリースによると、発覚直後から「手続き見直しなどにより相互牽制の強化を図っているほか、当時行内調査を行い、他に同様の事案がないことを確認しており」、「それ以降も貸金庫に関する不祥事案は発生しておりません。加えて、昨今の状況に鑑み、改めて管理態勢の再点検・強化も実施済」という。

銀行の貸金庫での窃盗事件といえば、2024年11月に三菱UFJ銀行でも発覚したばかりだ。同様の被害が他行でも起こっていたとあって、現在大きな話題を集めている。

北村さんは「18日の朝までこの件について一切知らなかった」と言う。

「いつものように『モーサテ(ニュースモーニングサテライト、テレビ東京系)』を見ていたら、みずほ銀行の貸金庫でも窃盗が起こったと報道されていて……。うわ、マジかって思いましたよ。三菱UFJ銀行さんと同じようにウチも派手にやられちゃったのかなと」

当然、支店勤務の行員が集まる朝会では今回の報道が話題に上がった。しかし、この段階では支店長すら詳細を把握していない様子だったという。

ようやく事態が動き始めたのは、お昼を過ぎた頃だった。

「どうしていまさら…」

同様の不祥事が他の貸金庫でも発生していないか調査をしたそうですが、該当はなかったとも書いてありました。被害を受けたお客様への謝罪も済んでいて、そのお客様とも協議の上で特段の公表をしないと決めたようです」

SNS上では「みずほ銀行は隠蔽していたのか」といった投稿も目立つ。こうした反応について北村さんはどう感じているのか。

「そう捉えられてもおかしくないとは思います。確かに、三菱UFJ銀行さんは貸金庫で起こった窃盗をすぐに公表しました。被害人数の多さや被害金額の大きさを踏まえてそういった判断をしたんでしょう。公表当時は現在進行形の不祥事でもありましたし。

ただ、ウチの場合、6年前の時点でお客様に謝罪しており、真摯に対応もしています。それですべての責任を果たしたと言うつもりはありませんが、そもそも当事者間ではすでに解決している事案。もしかしたら被害者の方が公表を拒んだ可能性もある。あくまで相手がある話なので、会社や金融庁が公表しないと判断したことについてはある程度理解できます。

事情がまったくわからない朝の段階ではニュースを見て青ざめましたけど、いまは『どうしていまさら蒸し返す必要があるんだろう』という気持ちのほうが強いですね。記者会見を開く必要も特段ないと思います」



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