国民民主党の榛葉賀津也幹事長は19日の記者会見で、年収103万円の壁の引き上げを巡り、自民党が年収に応じて非課税枠の拡大幅を変える案を提示したことについて「話にならない。国民も相当怒りを感じているのではないか」と不満を爆発させた。自民が高校授業料無償化を協議する日本維新の会にも矛先を向け、「中途半端な案で自民と握る(妥結する)のであれば、103万円の壁の引き上げを骨抜きにし、邪魔をした責任は維新にもある」と牽制(けんせい)した。
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石破茂政権は令和7年度予算案の成立に向け、国民民主、維新のそれぞれと政策協議を行っており、「両てんびん」にかけているとの見方があった。だが、首相は17日の衆院予算委員会で、高校授業料無償化を巡り、令和8年度から私立に通う世帯への支援額の上限を引き上げる意向を表明するなど、予算の成立をにらんで「維新優先」に転換した。
榛葉氏は会見でかつて国民民主に所属し、現在は維新で自民との交渉にあたる前原誠司共同代表をやり玉に挙げ、「よもや簡単に自民に丸め込まれることはないだろう」と皮肉った。
一方、維新の岩谷良平幹事長は19日の会見で「われわれはてんびんにかけられているつもりはない。103万円の壁突破も応援する立場だ」と強調した。