伊藤詩織氏、体調不良で会見キャンセル ドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」を巡る波紋

伊藤詩織氏が体調不良のため、日本外国特派員協会での記者会見をキャンセルしました。会見は、伊藤氏が監督を務めたドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」に関するもので、性的暴行被害を告発した元TBS記者との裁判や、その後の6年間を追った作品です。アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にもノミネートされた本作ですが、元弁護団からは批判の声も上がっており、波紋が広がっています。

ドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」とは?

2024年3月3日に開催される第97回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた「Black Box Diaries」は、伊藤詩織氏が2015年に元TBS記者から受けたとする性的暴行被害を巡る6年間の記録です。伊藤氏自身の視点を通して、事件から裁判、そして社会的な反響までが克明に描かれています。日本人監督作品として初の快挙となるノミネートに、国内外から注目が集まっています。

伊藤詩織さん(2021年12月撮影)伊藤詩織さん(2021年12月撮影)

元弁護団からの批判と伊藤氏の沈黙

しかし、この映画に対して、伊藤氏の元弁護団から批判の声が上がっています。彼らは、映画の中でホテルの防犯カメラ映像が本人やホテルの許諾なしに使用されていること、捜査関係者やタクシー運転手、西廣陽子弁護士などへの無断録音・録画が行われていることを問題視しています。 公益通報者保護の観点からも、これらの行為は倫理的に問題があると指摘しています。 映画公開に先立ち、元弁護団は会見を開き、これらの問題点を詳細に説明しました。

会見キャンセルで深まる謎

当初、元弁護団と伊藤氏は同日中にそれぞれ会見を行う予定でした。元弁護団は、伊藤氏とのコミュニケーションが難航している中で、会見を通して直接話を聞ける機会を期待していました。しかし、伊藤氏の体調不良によるキャンセルで、両者の主張の食い違いは解消されないままとなっています。

伊藤氏の説明は?今後の展開は?

伊藤氏はなぜ会見をキャンセルしたのか?映画に対する批判にどのような回答をするつもりだったのか? アカデミー賞ノミネートという輝かしい舞台の裏で、伊藤氏と元弁護団の間には深い溝が存在しています。今後の展開が注目されます。

伊藤詩織さん監督の「Black Box Diaries」伊藤詩織さん監督の「Black Box Diaries」

元弁護団の佃克彦弁護士は、会見延期に至る経緯を説明し、伊藤氏側とのコミュニケーション不足を嘆きながらも、会見を通して直接対話できることを期待していたと述べました。 映画公開後の反響や、伊藤氏自身の説明が待たれる状況です。 今後の動向によっては、アカデミー賞ノミネートにも影響が出る可能性も否定できません。