中国を訪問中の経団連、日本商工会議所、日中経済協会の代表団は、王文濤商務相ら中国政府高官と会談を行いました。日本側は、中国によるレアメタル輸出規制の緩和、日本産水産物輸入の早期再開、そして在留邦人の安全確保などを強く求めるなど、両国間の経済的緊張緩和に向けた協議が行われました。
レアメタル輸出規制への懸念
日本企業の間では、中国政府が昨年9月に半導体などに使用されるアンチモン関連品目を輸出規制対象に追加したことを受け、サプライチェーンへの影響に懸念が高まっています。今回の会談で、日本側は輸出規制の自制を求めましたが、王商務相は「ルールに合致すれば輸出許可を与えている」と説明する一方、「日本も米国の圧力を受けて半導体の制限を行っている」と反論。日米間の半導体規制を指摘し、中国側の正当性を主張しました。
レアメタル
水産物輸入再開への期待と課題
福島第一原発の処理水海洋放出を受け、中国は日本産水産物の輸入を全面的に停止しており、日本側は早期再開を強く要望しました。しかし、中国側は具体的な対応を示さず、今後の交渉の行方が注目されます。
経済安全保障と日中関係の行方
米中対立の激化を背景に、経済安全保障の重要性が高まる中、日本企業は中国市場への依存度低減を迫られています。今回の会談では、十倉経団連会長が「安心、安全、透明、公平で予見可能なビジネス環境の整備」を要望し、スパイ行為を取り締まる「反スパイ法」の運用に関して透明性を確保することも求めました。透明性と予測可能性の確保は、日系企業が中国で事業を継続していく上で不可欠な要素となっています。
日中関係
日中経済協力の未来
何立峰副首相は代表団に対し、「皆さんの訪中が日中間、そして世界の経済・貿易往来を促進する重要な役割を果たすと確信している」と述べ、日中経済協力の重要性を強調しました。両国間の経済的結びつきは依然として強く、今後の関係改善が期待されます。しかし、レアメタル輸出規制や水産物輸入停止といった課題を乗り越え、真に安定した経済関係を築けるかどうかは、今後の両国政府の対応にかかっています。