参政党・神谷代表、メディア報道に反論 「何も言っても切り取られる」

参政党の神谷宗幣代表は4日、山口市での街頭演説で、自身のメディア報道に対する不満を表明した。安倍晋三元首相がかつて特定のメディアに「叩かれ」「発言を切り取られた」状況に触れ、「いま私がその立場だ」と主張し、自身も同様の経験をしていると訴えた。

参政党神谷宗幣代表の街頭演説の様子(山口市、7月4日)メディア報道への言及参政党神谷宗幣代表の街頭演説の様子(山口市、7月4日)メディア報道への言及

最近の「炎上ネタ」として、まず5月10日の青森市での街頭演説に言及。

沖縄戦の発言巡り

当時、神谷氏は沖縄戦の「ひめゆりの塔」の展示説明に関する自民党西田昌司氏の発言について、「詳細は分からないが、言えることは日本軍は沖縄県民の方々を殺戮するために行ったわけじゃない」と述べたことに触れた。続けて、「米国軍の攻撃で亡くなられた方がほとんどで、中には(日本軍が自決用の手りゅう弾を渡すなど)悲しい話もあったかもしれないが、それは例外で、原則と例外を間違えてはいけない」という趣旨で発言したと説明した。

この発言に関する一部報道について、神谷氏は「『日本軍が沖縄県民を殺したわけじゃない』と切り取られ、『日本軍は一切悪いことはしていない』と思っているみたいなストーリーにされた。そんなこと言っていないのに」と誤解を指摘。「『悲しいこともあったことも分かっている』といったけど、そこは報じないで、やられた」と、報道の仕方に苦言を呈した。

「日本人ファースト」は差別か

参院選の標語である「日本人ファースト」についても、「差別だと(報じられた)」と述べた。これに対し、「日本人の暮らしが大変だから、日本の誇りを守ってほしいと(党員に言われて作った)。(地域政党の)都民ファーストはいいのにね」と語り、批判を疑問視した。

少子化対策での発言波紋

7月3日に東京都中央区で行った街頭演説での少子化対策に関する発言も物議を醸している点に言及した。「子供を産めるのは若い女性しかいない。男性や高齢の女性は産めない」と述べたことについて、神谷氏は記者団には「60代や70代はさすがに難しい」と説明していた。

この発言についても、「『高齢の女性は産めない』だけが切り取られ、全国放送でたくさん流してもらった」と述べた。その意図を「神谷の印象を悪くしたいと思ったのだろう」としつつも、「ごめんなさい。上がってしまった。間違ったことを言っていないので」と反論した。

当時の東京都内は31度を超え、街頭演説を撮影する機材に不具合が生じていたことも明かした。「暑くてカメラの調子が悪く、そこの部分は映っていなかった」とし、映像を「消した、消した」と指摘されたことに触れ、「消しませんから。訂正もしませんから。私はこういう発言に1ミリも引きませんから」と強調し、自身の発言や姿勢を変える意思がないことを示した。

[出典] Yahoo!ニュース / 産経新聞