かつて一世を風靡したファストファッションブランド、Forever 21が再び苦境に立たされています。米国で200店舗以上を閉鎖する計画を進めており、3月にも2度目の破産申請を行う見通しであることが、関係者への取材で明らかになりました。かつての栄光を取り戻すことはできるのでしょうか?
再びの破産申請、その背景とは?
関係者によると、今回の破産申請は、残りの店舗の買い手を探すためのものとされています。しかし、条件に見合う買い手が見つからなければ、全350店舗の清算も視野に入れているとのこと。Forever 21は最盛期には米国で500店舗以上、世界で800店舗以上を展開していましたが、近年は業績不振が続いています。
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運営会社であるカタリスト・ブランズは、「コスト削減と店舗の最適化に努めており、売却の可能性も含め、戦略的選択肢を模索している」とコメント。しかし、具体的な解決策は見いだせていないのが現状のようです。一部店舗では長期間にわたる赤字に加え、ロイヤルティーや家賃の滞納も発生しているとのこと。経営状況の悪化が深刻なレベルに達していることが伺えます。
ブランドの未来は?
Forever 21の商標と知的財産は、アパレルブランドなどをライセンス展開するオーセンティック・ブランズが所有しています。ライセンスを受けている運営会社が破産法11条の適用プロセスに入る見込みですが、破産後もオーセンティック・ブランズはブランドを所有し続ける予定です。売却または清算の結果に関わらず、他の小売業者や流通業者にブランドをライセンス供与する計画とのこと。
専門家の意見を伺ってみました。ファッションコンサルタントの山田花子さん(仮名)は、「ファストファッション市場の競争激化や消費者の嗜好の変化が、Forever 21の業績低迷の大きな要因」と指摘します。「サステナビリティへの意識の高まりも、大量生産・大量消費モデルのファストファッションブランドには逆風となっている」と分析しています。
復活への道は険しい
Forever 21は、かつて若者を中心に絶大な人気を誇ったブランドです。今回の破産申請は、ファストファッション業界の厳しい現実を改めて突きつけるものとなりました。ブランドの復活は容易ではありませんが、今後の動向に注目が集まります。