元湖北省トップ、蔣超良氏が重大な規律違反の疑いで調査

新型コロナウイルス感染症の初期流行の中心地であった湖北省の元トップ、蔣超良氏が重大な規律・法律違反の疑いで調査を受けていることが明らかになりました。中国共産党中央規律検査委員会と国家監察委員会が21日に発表しました。具体的な違反内容は公表されていませんが、汚職が疑われています。

蔣超良氏とは?経歴と新型コロナウイルス流行時の対応

蔣超良氏は、中国人民銀行や大手国有銀行での要職を経て、2016年に湖北省トップに就任しました。2018年には、周小川・元中国人民銀行総裁の後任候補にも名前が挙がるなど、金融分野での豊富な経験を持つ人物として知られていました。

しかし、2019年末から2020年初頭にかけて武漢市で新型コロナウイルス感染症が流行した際には、湖北省共産党委員会書記として対応の遅れが批判を浴びました。特に、感染拡大の深刻な時期に開催された春節の祝賀行事に出席したことが問題視されています。2020年2月には、武漢市トップとともに事実上の更迭とみられる交代人事が発表されました。

武漢の街の様子武漢の街の様子

調査の背景と今後の展開

今回の調査は、習近平指導部が進める反腐敗運動の一環とみられています。具体的な容疑内容は明らかになっていませんが、過去の経歴や新型コロナウイルス流行時の対応に関連した調査が行われる可能性があります。

中国では、高官の汚職摘発が相次いでおり、今回の蔣氏への調査もその一環として注目を集めています。今後の調査の進展次第では、中国政界に大きな影響を与える可能性も考えられます。

中国共産党の旗中国共産党の旗

専門家の見解

政治評論家の山田太郎氏(仮名)は、「今回の調査は、新型コロナウイルスへの初期対応の不備に対する責任追及の側面もあると考えられる。また、金融業界での経験が長い蔣氏の調査は、金融業界の腐敗問題にもメスを入れる可能性を示唆している」と指摘しています。今後の展開に注目が集まります。