ステージ4のがん宣告から11ヶ月…通院の工夫で心穏やかに過ごす日々【がん治療体験記】

闘病生活を送る中で、通院は時に負担となることがあります。しかし、工夫次第で通院時間を有意義なひとときに変えることができるかもしれません。今回は、ステージ4の膀胱がんと診断されたジャーナリスト山田稔さん(65歳)の体験記を通して、心穏やかに通院するためのヒントを探ります。

がん宣告から11ヶ月、現在の状況は?

2024年春、山田さんはステージ4の膀胱がんと診断され、肺への転移も確認されました。医師からの説明を受け止め、がんとの共存を決意。抗がん剤治療を経て、10月には膀胱全摘出手術を受けました。それから11ヶ月が経ち、現在のところがん細胞は落ち着きを見せているとのこと。肺や腰骨への転移による痛みもなく、日常生活を送れています。食事は1日3食を規則正しく摂り、入院中に栄養士からアドバイスを受けた通り、たんぱく質を積極的に摂取しています。3月のCT検査で転移の状況や腫瘍の大きさを確認するまでは予断を許さない状況ですが、こうして原稿を執筆できることに感謝の気持ちを抱いているそうです。

抗がん剤投与の様子抗がん剤投与の様子

多様な通院手段を使い分け、心身のリフレッシュを図る

自宅から病院までは直線距離で約1キロ。山田さんは、その日の体調や天候に合わせて、徒歩、バス、タクシー、自転車、自動車と、様々な交通手段を使い分けています。タクシーは体調が優れない時のみに利用し、自動車は強風の日や猛暑日などに限定。自転車は穏やかな晴天で体調が良い日に選び、バスは本数が少ないためあまり利用していません。身体障害者手帳の提示でバスは半額、タクシーは1割引になるという制度も活用しています。

徒歩での通院:季節の移ろいを感じながら

意外にも、山田さんが最も多く利用しているのは徒歩での通院です。川沿いの桜並木や公園の花々を眺めながら、ゆっくりと散策気分で病院へ向かいます。所要時間は25~30分ほど。程よい運動にもなり、気分転換にも繋がっているようです。最近ではよほど寒い日でない限り、徒歩で通院するようにしているとのこと。

花を愛でながら通院する山田さん花を愛でながら通院する山田さん

専門家の視点:通院ストレス軽減の重要性

がん治療における通院ストレス軽減の重要性について、がんサポート専門家の佐藤先生(仮名)は次のように述べています。「治療に伴う通院は、患者さんにとって大きな負担となる場合があります。通院方法を工夫したり、気分転換を取り入れることで、心身のストレスを軽減し、治療へのモチベーション維持に繋がるでしょう。」

山田さんのように、自身の体調や好みに合わせて通院方法を工夫することで、通院時間を心穏やかに過ごすことができるだけでなく、治療への前向きな姿勢を保つことにも繋がるのではないでしょうか。