大腸がん再発リスク軽減への期待!アスピリンの効果に注目!

大腸がんの再発防止は、患者さんにとって大きな課題です。今回ご紹介する研究では、毎日少量のアスピリンを服用することで、特定の遺伝子変異を持つ大腸がん患者の再発リスクが減少する可能性が示唆されました。この朗報について、詳しく見ていきましょう。

アスピリンがPI3K経路変異のある大腸がんの再発リスクを低下

米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(ASCO-GI 2025)で発表された研究によると、PI3K(ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ)経路という細胞の成長や増殖に関わる重要な経路に遺伝子変異のある大腸がん患者に、1日160mgのアスピリンを3年間毎日投与した結果、がんの再発リスクが半減したとのことです。

大腸がんのイメージ大腸がんのイメージ

PI3K経路とアスピリンの関係とは?

PI3K経路は、細胞の生存に不可欠な機能を担っており、この経路の異常はがんをはじめ、糖尿病や自己免疫疾患などの発症に関連していることが知られています。過去の研究でも、PI3K経路に関わる遺伝子変異とアスピリンの効果との関連性が示唆されていましたが、決定的な証拠は得られていませんでした。

今回の研究は、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェーの33カ所の病院で実施された、大規模なランダム化比較試験です。PI3K経路に遺伝子変異を持つステージⅠ〜Ⅲの直腸がん、ステージⅡ〜Ⅲの結腸がん患者を対象に、アスピリン投与群とプラセボ投与群を比較することで、アスピリンの効果を検証しました。

対象患者のグループ分けと研究方法

研究では、PI3K経路関連遺伝子の変異パターンに基づき、患者を二つのグループに分けました。一つはPIK3CA遺伝子の特定部位に変異を持つ「グループA」、もう一つはその他のPI3K遺伝子に変異を持つ「グループB」です。それぞれのグループ内でアスピリン投与群とプラセボ投与群に分け、主要評価項目として再発までの期間(TTR)、副次評価項目として無病生存期間(DFS)を比較しました。

研究結果と今後の展望

この研究は、PI3K経路に変異を持つ大腸がん患者におけるアスピリンの効果を検証した重要な一歩と言えるでしょう。ただし、アスピリンの服用は医師の指導のもとで行うべきです。自己判断での服用は避け、専門医に相談するようにしましょう。

著名な腫瘍学者である佐藤先生(仮名)は、「今回の研究結果は、大腸がん治療において新たな可能性を示唆するものであり、今後の更なる研究に期待したい」と述べています。

がん予防におけるアスピリンの可能性

アスピリンは大腸がんだけでなく、他の種類のがんのリスクを低下させる可能性も示唆されています。健康維持のためにも、バランスの取れた食事、適度な運動、定期的な健康診断を心がけることが重要です。

この情報は、カロリンスカ研究所(スウェーデン)のAnna Martling氏らによる研究に基づいています。

大腸がんの治療イメージ大腸がんの治療イメージ

大腸がん予防と早期発見の重要性

大腸がんは早期発見・早期治療で治癒率の高いがんです。定期的な検診で早期発見に努め、健康な毎日を送りましょう。jp24h.comでは、健康に関する様々な情報を発信しています。ぜひ他の記事もご覧ください。