ポーランドのある家の裏庭に航空宇宙企業スペースXのロケットの残骸が落下するという事故が発生した。
英BBCは19日(現地時間)、ポーランドのコモルニキ市にイーロン・マスク氏が所有する「スペースX」のロケットの破片が落下したと報じた。
長さ1.5メートル、幅1メートルほどの黒い物体がこの日未明、地域の住民アダム・ボルツキーさんが所有する倉庫の近くに落ちた。ボルツキーさんは午前10時ごろ、焼けたタンクのような物体を発見し、これを通報した。幸い、人命被害はなかった。
警察とポーランド宇宙局POLSAは問題の物体がスペースX「ファルコン9」ロケットの一部だと明らかにした。現地警察によると、似た残骸が近隣の村に近い森の中でも発見された。
POLSAは「19日午前4時46分から4時48分の間、ファルコン9ロケットが統制不能状態でポーランド上空に進入した」と確認した。問題のロケットは、スペースXが1日に米カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から発射したものと確認された。
ハーバード大のマクダウェル天体物理学科教授は「ロケットが統制状態で地球大気圏に再進入して太平洋に墜落する予定だったが、エンジンが故障した」とし「残骸は時速1万7000マイルで英国上空とスカンジナビアを通過し、東欧に時速数百マイルの速度で墜落した」と説明した。
続いて「最近スペースXのファルコンに関連した事件が4件発生するなど、エンジンの故障のような問題が頻発している」とし「今まで我々は運よく誰もけがをしていないが、地球の軌道に送る物体が増えるほど我々の運が尽きる可能性が高まる」と憂慮した。
専門家らは今回のロケットの破片が隣国のウクライナにも落下した可能性があるとみている。
POLSAはスペースX側と今回の事故について議論する予定だと明らかにした。