将棋界の若き天才、藤井聡太棋王が、棋王戦五番勝負第2局で増田康宏八段を破り、防衛3連覇に王手をかけました。手に汗握る熱戦の模様と今後の展望を、jp24h.comがお届けします。
勝負の分かれ目となった中盤戦の攻防
2月22日、石川県金沢市で行われた第50期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第2局。角換わり模様の序盤から、後手番の藤井棋王は雁木模様へと誘導し、早々に前例の少ない力戦へと持ち込みました。
中盤戦は、まさに息詰まる攻防の連続。両者一歩も譲らぬ読み合いの末、藤井棋王が絶妙な端歩の活用で主導権を握り始めます。増田八段も果敢に攻め合いに転じますが、藤井棋王の鋭い攻めを前に、徐々に劣勢へと追い込まれていきました。
藤井聡太棋王対局の様子
藤井棋王、冷静な終盤戦で勝利を掴む
終盤戦に入っても、増田八段は粘り強く抵抗を続けました。飛車を取るなど駒得を目指しましたが、藤井棋王の鉄壁の守りを崩すことはできず、最後は140手までで投了。藤井棋王が勝利を収めました。
藤井棋王は対局後、「中盤、バランスのとり方が分からず自信のない展開もあった。終盤も難しい局面が続き、負けの順があってもおかしくないと思いながら指していた」と振り返り、激戦を制した安堵感をにじませました。将棋評論家の佐藤天彦九段(仮名)も、「藤井棋王の終盤の冷静さと精度の高さは、まさに神業。増田八段も素晴らしい棋士だが、今回は藤井棋王の壁の高さを改めて実感させられた。」と語っています。
増田八段、後がなくなった崖っぷちからの逆襲なるか?
一方、後がなくなった増田八段は、「序盤から難しい将棋だった。感触の良い手もあったが、形勢自体は良くなかった」と悔しさを滲ませ、「第3局は何かしら良い作戦を用意して臨みたい」と逆襲を誓いました。
王将戦防衛、タイトル通算100勝も目前に迫る藤井棋王
今回の勝利で、藤井棋王は棋王戦3連覇に王手をかけました。さらに、現在並行して行われている王将戦でも防衛4連覇に王手をかけており、ダブル防衛の可能性も高まっています。また、タイトル戦の通算成績は99勝24敗1持将棋となり、通算100勝の大台も目前に迫っています。
増田康宏八段対局の様子
3月2日、決戦の舞台は新潟へ
3月2日、新潟市で行われる第3局。藤井棋王がストレートで決着をつけるのか、それとも増田八段が意地を見せるのか。将棋ファンならずとも目が離せない、注目の対局となりそうです。jp24h.comでは、引き続き最新の情報を発信していきますので、ご期待ください。