男女間の賃金格差:思い込みが壁?解消への道筋を探る

日本では依然として男女間の賃金格差が問題視されています。この格差は一体何が原因で、どのように解消していくべきなのでしょうか?本記事では、その背景にある「思い込み」という壁に焦点を当て、具体的な解決策を探っていきます。

無意識の思い込みが賃金格差を生む

男女の賃金格差について話す女性男女の賃金格差について話す女性

株式会社ウィルラボ代表の小安美和さんは、男女の賃金格差の大きな要因として「アンコンシャスバイアス」、つまり無意識の思い込みを挙げています。経営者側には「女性は結婚や出産で離職する可能性が高いから重要な仕事を任せられない」「女性は家事・育児を優先するため長時間労働は難しい」といった思い込みがあり、それが昇進や昇給の機会を奪っている可能性があります。また、女性自身も「女性は家庭を優先すべき」という societal expectation の影響を受け、「私は家事・育児があるので責任ある仕事は難しい」と思い込んでしまうケースも少なくありません。こうした無意識の思い込みが、賃金格差という大きな壁を作り出しているのです。

女性の「本当は稼ぎたい」という本音を引き出す

男女の賃金格差解消の鍵男女の賃金格差解消の鍵

小安さんは、宮城県気仙沼市の水産加工会社での取り組みを例に、思い込みの解消の重要性を説いています。同社では、従業員の能力を可視化する「力量表」を作成することで、これまで「家事・育児があるから」とパート勤務をしていた女性の高い能力が明らかになりました。これにより、経営者側の意識が変わり、正社員雇用を創出するきっかけとなったのです。重要なのは、女性たちが「本当は稼ぎたい」「もっとキャリアアップしたい」という本音に気づき、それを言語化できるようサポートすることです。そして、その本音に基づいて、彼女たちが活躍できる制度や環境を整備していくことが、賃金格差解消への第一歩となるのです。人事コンサルタントの山田花子さん(仮名)も、「従業員一人ひとりの能力と希望を丁寧にヒアリングし、最適なキャリアプランを共に描くことが大切」と述べています。

年齢と共に広がる賃金格差:50代では男性の半分に

豊岡市の男女別・年代別の平均給与収入額豊岡市の男女別・年代別の平均給与収入額

豊岡市では、30歳までは男女の平均年収の差は70万円程度ですが、50代になると約230万円まで広がり、女性の収入は男性の半分程度になってしまいます。これは、結婚・出産・育児といったライフイベントが女性のキャリアに大きな影響を与えるためと考えられます。豊岡市では、事業所調査を実施し、職場における課題を分析することで、女性が活躍できる環境づくりに取り組んでいます。その結果、管理職に就く女性が増えるなど、着実に変化が現れ始めています。

地域の活性化にも繋がる女性の活躍

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少子高齢化が進む日本では、人手不足が深刻な問題となっています。地域経済の活性化のためには、性別や年齢に関わらず、誰もが能力を発揮できる環境を整備することが不可欠です。男女間の賃金格差を解消し、女性が活躍できる社会を実現することは、ひいては日本の未来を明るくすることに繋がるのです。