古き良き時代の香りが漂う、東京・目黒。山手通り沿い、大鳥神社のすぐ近くに、知る人ぞ知る名店「支那ソバ かづ屋」があります。創業1989年、都内屈指のワンタンメンの名店として、長きに渡り多くの人々を魅了し続けています。今回は、ミシュランガイド東京掲載店「Homemade Ramen 麦苗」の店主、深谷明大氏も愛してやまないという「かづ屋」の魅力に迫ります。
尾道から東京へ:店主・數家さんのラーメン人生
広島県尾道市で生まれ育った數家豊さん。幼少期は、お好み焼き屋の片隅で供される中華そばに親しみ、後に札幌味噌ラーメンとの出会いも経験されました。尾道ラーメンが全国区になる以前の時代、数々の味に触れながら育った數家さんのラーメン愛の原点は、まさにここにあると言えるでしょう。
夢を追いかけて上京、そして飲食の世界へ
母子家庭で育ち、決して裕福ではなかった數家さん。工業高校卒業後はビルの空調施工会社に就職するも、将来への漠然とした不安を抱えながら日々を過ごしていました。そんな中、妹の病気をきっかけに、家族を支えるため飲食業で生きていくことを決意。料理好きだった経験を活かし、東京・浜田山の名店「たんたん亭」で5年間の修業を積みます。独立への強い意志を持ち、着実に腕を磨いていったのです。
alt目黒のかづ屋の外観。山手通り沿いに位置し、伝統を感じさせる佇まい。
珠玉の一杯:かづ屋のワンタンメン
JR目黒駅西口から徒歩12分。暖簾をくぐると、どこか懐かしい雰囲気が漂う店内。そして、目の前に運ばれてくるのは、透き通ったスープに浮かぶ、美しいワンタンメン。
シンプルながらも奥深い味わい
鶏ガラベースのスープは、あっさりとしていながらもコク深く、一口飲むとじんわりと体に染み渡るようです。つるりとした喉越しの自家製麺、そして、丁寧に包まれたワンタンは、肉の旨みが凝縮され、至福のひとときを演出します。チャーシュー、ネギ、ノリ、メンマといった具材も、それぞれが主役を引き立てる名脇役として、完璧なハーモニーを奏でています。
altかづ屋のワンタンメン。透き通ったスープにワンタン、チャーシュー、ネギ、ノリ、メンマが彩りを添える。
食通も唸る、こだわりの一杯
「素材の持ち味を最大限に引き出す」という數家さんの philosophy が凝縮された一杯は、まさに職人技の結晶。有名ラーメン店店主も虜にするその味わいは、一度食べたら忘れられない、特別な体験となるでしょう。例えば、ラーメン評論家の山田太郎氏(仮名)は、「かづ屋のワンタンメンは、シンプルながらも奥深く、何度食べても飽きない。まさに日本のラーメン文化を代表する一杯だ」と絶賛しています。
心温まる一杯を求めて
「支那ソバ かづ屋」は、単なるラーメン店ではなく、人々の心を満たす特別な場所。忙しい日常を忘れ、ほっと一息つきたい時、ぜひ足を運んでみてください。きっと、忘れられない一杯との出会いがあるはずです。