九州最大の指定暴力団「道仁会」摘発強化!熊本県警、組織壊滅へ執念の捜査

熊本県警が、九州最大の指定暴力団である道仁会(福岡県久留米市)への摘発を強化しています。2025年2月21日には、道仁会系組長の覚醒剤取締法違反容疑での逮捕を受け、本部事務所を家宅捜索しました。県警は2024年秋以降、約30件の事件で組員や関係者延べ約60人を検挙。熊本県内での勢力拡大を図る道仁会に対し、徹底的な排除を目指しています。

熊本県警による道仁会本部事務所の家宅捜索熊本県警による道仁会本部事務所の家宅捜索

道仁会、闇バイトへの関与も捜査対象に

2024年11月には、「闇バイト」勧誘グループへの指示に関与したとして、道仁会系組幹部を職業安定法違反容疑で逮捕。今回の家宅捜索も、この事件と関連があるとみられています。県警は、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)を資金源として活用している可能性を視野に入れ、道仁会の組織的な関与について捜査を進めています。

熊本県内でも勢力拡大、4割が道仁会系

福岡県警によると、道仁会の構成員や準構成員などの勢力は、2024年末時点で約520人。その半数以上が熊本県や佐賀県など福岡県外に拠点を置いています。熊本県内では近年、若者を勧誘しながら勢力を維持しており、熊本県警によると2025年1月末時点で、県内にいる暴力団勢力約310人のうち、4割以上の約130人が道仁会系であることが分かっています。

集中戦略で組織の弱体化と壊滅を目指す

県警は2024年9月以降、「暴力団が関連するトクリュウグループの壊滅に向けた集中戦略」を掲げ、道仁会を標的に取り締まりを強化。繁華街での違法風俗店経営や薬物売買などのトラブルに、道仁会系組員が関与しているとの情報に基づき、組織犯罪対策課を中心に約30人態勢の捜査チームを編成し、組織の弱体化と壊滅を目指しています。

半グレの台頭、取り締まりの難しさも

熊本県では2011年に県暴力団排除条例を施行。「標章制度」などを導入し、熊本市内の繁華街を拠点としていた8団体を解散や事務所撤去に追い込みました。しかし、近年は「半グレ」と呼ばれる暴力団組員とは言い切れない勢力が目立つようになり、取り締まりの難しさも指摘されています。

道仁会本部事務所を捜索する熊本県警の捜査員道仁会本部事務所を捜索する熊本県警の捜査員

若手組員が多い二次団体、あらゆる法令を駆使して摘発

捜査関係者によると、今回逮捕された容疑者が所属する二次団体は福岡県南部を拠点とし、熊本県内でも若手組員が多いとされています。傘下には半グレやトクリュウがいるとみられ、県警はあらゆる法令を駆使し、集中的かつ多角的に取り締まりを進める方針です。暴力団排除に向けた熊本県警の執念の捜査は、今後も続いていくでしょう。