ラピダス、2ナノ半導体量産へ—新千歳空港を臨む最先端工場で日本の半導体復活に挑む

北海道の玄関口、新千歳空港。飛行機の離着陸を間近に見る活気溢れるこの場所に、日本の半導体復活を担うラピダスの最先端工場が位置しています。2ナノメートルという世界最先端の半導体試験生産を目前に控え、活気と熱気に満ちた現場の様子をお届けします。

ラピダス、新千歳空港隣接地に戦略的工場を建設

新千歳空港から車でわずか15分。滑走路と道路一本を挟んだ場所に、ラピダスの工場はあります。2027年の本格稼働を目指し、工場では既に最先端EUV露光装置の搬入が進められていました。空港に隣接したこの立地は、将来の半導体輸出を視野に入れた戦略的な選択と言えるでしょう。

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ベテラン技術陣の結集、熱い情熱で2ナノ量産を目指す

ラピダスには、655名の従業員が在籍しています。その多くはエンジニアであり、1980~90年代、日本が半導体市場をリードしていた時代のベテラン技術者たちが集結しています。平均年齢は40代後半。豊富な経験と知識を武器に、2ナノメートルという未踏の領域に挑戦しています。

2022年秋の工場用地選定から始まり、建設、装置搬入まで、すべての工程は予定通りに進んでいます。雪深い北海道という厳しい環境下でも、巨大テントを設営しコンクリート打設作業を続けるなど、弛まぬ努力が続けられています。米IBMへの技術者派遣による共同研究も精力的に行われ、技術力の向上に余念がありません。

揺るぎない自信、日本の半導体復活へ

ラピダス関係者は、「必ず成功するという強い信念がある。乗り越えられない壁はない」と、2ナノメートル半導体量産への揺るぎない自信を示しています。一つ一つの課題を着実にクリアしていくことで、必ず成功を掴むことができると確信しているのです。

政府の全面支援、半導体産業復活への期待

1980~90年代、世界の半導体市場を牽引していた日本。しかし、近年は韓国や台湾の台頭に押され、その存在感を失っていました。「失われた30年」を取り戻すべく、日本政府はラピダスに全面的な支援を行っています。既に9200億円もの資金が投入されており、2ナノメートル量産には約5兆円が必要とされていますが、政府は更なる資金支援を検討しています。

ラピダスは、小池淳義社長をはじめとする個人株主と、トヨタ自動車、ソニー、ソフトバンクなど、日本を代表する企業8社が出資して設立されました。官民一体となった取り組みは、日本の半導体産業復活への大きな期待を背負っています。

未来への挑戦、世界市場への返り咲き

2ナノメートル半導体量産は、容易な道のりではありません。しかし、ラピダスは、熱い情熱とたゆまぬ努力で、未来を切り拓こうとしています。世界市場への返り咲きを目指し、日本の半導体産業の復活を牽引するラピダスの挑戦に、これからも注目が集まります。