【USJ事故】70代女性、アトラクション降車時に脊椎損傷で10億円超の賠償金獲得!安全対策の重要性を改めて問う

ハリウッドの夢の国、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドで痛ましい事故が発生。70代女性がアトラクション降車時に脊椎を損傷し、10億円を超える賠償金を受け取ることになりました。この事件は、テーマパークにおける安全対策の重要性を改めて私たちに問いかけています。

夢の国での悪夢:事故の経緯

2022年、パメラ・モリソンさん(74歳)は孫と共に、カリフォルニア州ロサンゼルスにあるユニバーサル・スタジオ・ハリウッドを訪れました。ハリー・ポッターエリアの人気アトラクションに乗車したモリソンさんでしたが、安全装置の不具合により降車を促されます。その際、可動式のコンベアベルトと固定された床の段差でバランスを崩し、転倒。この事故により、モリソンさんは腰下部に重度の骨折、臀部周辺の筋肉損傷という大怪我を負ってしまいました。

モリソンさんが転倒したとされるハリーポッターエリアのアトラクションの乗り物。モリソンさんが転倒したとされるハリーポッターエリアのアトラクションの乗り物。

事故後、モリソンさんは日常生活に深刻な支障をきたし、一人でトイレに行くことさえ困難になったといいます。高額な治療費も大きな負担となりました。

裁判で明らかになった真実:パーク側の過失

モリソンさんの弁護士は、「この事故は防げたはずだ」と主張。コンベアベルトを一時停止させるといった簡単な措置で事故は回避できたはずなのに、パーク側は1時間あたり1800人という搭乗客目標の達成を優先し、安全対策を怠ったと指摘しました。

一方、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド側は防犯カメラの映像を証拠に、モリソンさんが孫に気を取られて転倒したと反論。しかし、陪審員団は4時間に及ぶ審議の末、パーク側に責任があると判断。危険な状況を作り出しながら適切な安全措置を講じなかった過失を認め、モリソンさんに725万ドル(約10億8000万円)の賠償金を支払うよう命じました。内訳は、経済的損害25万ドル、過去の精神的・肉体的苦痛に対する賠償200万ドル、将来発生する苦痛に対する賠償500万ドルとなっています。

専門家の見解

テーマパーク安全コンサルタントの佐藤一郎氏(仮名)は、「今回の判決はテーマパーク運営者にとって大きな警鐘となるでしょう。集客目標達成を優先するあまり、安全対策がおろそかになっているケースは少なくありません。利用客の安全を第一に考える姿勢が改めて求められています」とコメントしています。

テーマパークの安全:私たちにできること

国際遊園地・アトラクション協会(IAAPA)によると、テーマパークの固定型アトラクションで深刻な負傷をする確率は1550万分の1とされています。それでも、今回の事故のように予期せぬ事態は起こりうるもの。利用客も安全意識を高め、パーク側の指示に従うことが大切です。

モリソンさんの弁護士は、「この事故で依頼人(モリソンさん)の人生は一変しました。陪審員団がその点を理解してくれたことを嬉しく思います。今回の判決は非常に公正な結果です」と述べています。

この事件を教訓に、テーマパーク運営者は安全対策を強化し、私たち利用客も安全意識を高めることで、誰もが安心して楽しめる夢の国を実現していく必要があるのではないでしょうか。