韓国製兵器、東南アジアで躍進!中国との摩擦を背景に需要拡大

東南アジア諸国で、韓国製兵器の需要が拡大しています。南シナ海における中国との領土問題を背景に、中国製兵器への依存を減らしたい東南アジア諸国にとって、高品質でコストパフォーマンスに優れた韓国製兵器は魅力的な選択肢となっているようです。

中国との摩擦、東南アジアの兵器調達に変化

南シナ海の領有権を巡り、中国と東南アジア諸国間の緊張が高まっています。ベトナム、フィリピン、マレーシアなど多くの国が中国の強硬な姿勢に警戒感を強めており、兵器調達においても中国依存からの脱却を図っています。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)もこの状況を報道し、韓国が東南アジアの兵器市場で中国の最大のライバルになりつつあると分析しています。

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フィリピン、マレーシア、インドネシア…韓国製兵器の導入進む

フィリピンは、韓国製の超音速軽戦闘機FA-50を既に12機導入済みで、年内にもさらに12機を追加購入する交渉を進めています。また、遠海警備艦など韓国製艦艇の導入計画も進んでおり、南シナ海における中国への備えを強化しています。マレーシアも2023年にFA-50を18機発注。インドネシアも韓国製高等訓練機T-50の追加購入を行うなど、東南アジア各国で韓国製兵器の導入が進んでいます。

ベトナムも韓国製兵器に注目

旧ソ連製の兵器を使用してきたベトナムも、韓国製兵器の新たな顧客として注目されています。韓国製K9自走砲の導入交渉が最終段階に入っており、契約締結も間近とされています。

韓国製兵器の魅力:高品質、低価格、そして低い地政学的リスク

韓国製兵器の魅力は、高品質ながらも米国や西側諸国に比べて低価格である点です。さらに、納入の効率性も高く評価されています。ダニエル・K・イノウエ・アジア太平洋安全保障研究センターのラミ・キム教授は、韓国製兵器の品質と価格のバランスを高く評価しています。

また、米国、中国、ロシアといった大国と比較して、韓国は地政学的なリスクが低いことも東南アジア諸国にとって大きなメリットです。シンガポール南洋理工大学ラジャラトナム国際学院のコリン・コー主任研究員は、韓国は東南アジア諸国にとって脅威とは見なされておらず、文化的な親和性も高いと指摘しています。ランド研究所のティモシー・ヒース上級研究員も、韓国との兵器取引は政治的リスクが低いと分析しています。

韓国、米中対立の隙を突く

米中対立が激化する中、韓国は東南アジア諸国にとってバランスの良い選択肢となっています。中国への過度な依存を避けたい東南アジア諸国にとって、韓国は信頼できるパートナーとして存在感を増していると言えるでしょう。