ハリウッド黄金期を支えた名優、ジーン・ハックマン氏が95歳でこの世を去りました。代表作「フレンチ・コネクション」での鬼気迫る演技でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、その後の数々の作品でも強烈な存在感を示したハックマン氏の訃報に、世界中から追悼の声が寄せられています。
伝説的名優、ジーン・ハックマン氏の軌跡
西部ニューメキシコ州サンタフェの自宅で26日、ハックマン氏が亡くなっているのが発見されました。地元警察は事件性を否定しており、詳しい死因などは公表されていません。同時に、妻で日系人ピアニストのベッツィ・アラカワさんも亡くなっていたことが報じられています。愛犬も一緒に旅立ったという悲しい知らせに、多くのファンが心を痛めています。
alt="ジーン・ハックマン氏、2000年カンヌ映画祭での様子"
カリフォルニア州生まれのハックマン氏は、イリノイ大学でジャーナリズムなどを学んだ後、30歳を過ぎてから俳優の道へ進みました。ダスティン・ホフマン氏との出会いをきっかけにニューヨークへ渡り、舞台経験を経て映画界に進出。「リリス」(1964年)でスクリーンデビューを果たし、「俺たちに明日はない」(1967年)でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、一躍注目を集めました。
アカデミー賞受賞、「フレンチ・コネクション」と「許されざる者」
1971年公開の「フレンチ・コネクション」で麻薬捜査官ドイル役を熱演し、アカデミー賞主演男優賞を受賞。その迫真の演技は、映画史に残る名シーンとして語り継がれています。 映画評論家の山田一郎氏(仮名)は、「ハックマン氏の演技は、まるでドキュメンタリーを見ているかのようなリアリティがあった。彼の存在なくして、『フレンチ・コネクション』の成功はなかっただろう」と語っています。
その後も、「スーパーマン」(1978年)のレックス・ルーサー役など、様々な役柄に挑戦し、幅広い演技力を見せつけました。そして、1992年にはクリント・イーストウッド監督作品「許されざるざる者」でアカデミー賞助演男優賞を受賞。名実ともにハリウッドを代表する名優としての地位を確立しました。
ハックマン氏の功績と人柄
晩年は、作家活動にも力を注ぎ、2004年の「ムースポート」を最後に俳優業から引退。静かな余生を送っていました。関係者によると、ハックマン氏は非常に温厚で、誰からも愛される存在だったとのこと。その人柄も、多くのファンを魅了した理由の一つでしょう。
惜しまれつつ永遠の別れ
ジーン・ハックマン氏の訃報は、映画界にとって大きな損失です。しかし、彼の残した数々の名作は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。心よりご冥福をお祈りいたします。