トランプ前大統領、ゼレンスキー氏への「独裁者」発言を否定 ウクライナとのレアアース共同開発合意を控え

ホワイトハウスでの英首相との会談中に、トランプ前大統領はウクライナのゼレンスキー大統領を「独裁者」と呼んだとされる件について、発言自体を否定しました。この発言は、ロシア・ウクライナ戦争終結に向けた協議の文脈でなされたと報じられていましたが、トランプ氏は「私がそんなことを言ったのか?信じられない」と述べ、発言を記憶していないかのような様子を見せました。

ホワイトハウス会談で態度軟化? レアアース共同開発合意の裏側

ホワイトハウスで会談するトランプ前大統領とスターマー英首相ホワイトハウスで会談するトランプ前大統領とスターマー英首相

この発言の背景には、28日に予定されているゼレンスキー大統領とのホワイトハウス会談と、レアアース(希土類)を含む鉱物資源の共同開発合意が控えていることが挙げられます。トランプ氏は会談でゼレンスキー氏との「良好な関係」を強調。以前の批判的な姿勢から一転、融和的な態度を見せています。

国際政治アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「トランプ氏は『ディール(取引)』を重視する人物。ゼレンスキー氏が共同開発に合意したことで、態度を軟化させたのだろう」と分析しています。

鉱物資源開発合意への道のり 当初はゼレンスキー氏が拒否

米国は2月中旬に鉱物資源共同開発の草案を提示しましたが、安全保障に関する項目が欠落していたため、ゼレンスキー氏は署名を拒否しました。この事態にトランプ氏は激怒し、演説やSNSでゼレンスキー氏を「選挙なき独裁者」と批判していたと報じられています。

ゼレンスキー氏の決断と今後の展望

ウクライナ軍医療拠点の壁に飾られた写真ウクライナ軍医療拠点の壁に飾られた写真

しかし、最終的にゼレンスキー氏が合意に至った背景には、ウクライナの厳しい経済状況や、ロシアへの対抗上、米国の支援が不可欠であるという事情が推測されます。

今回の合意は、ウクライナ経済の復興に貢献する可能性がある一方で、資源開発に伴う環境問題や、米国の影響力拡大に対する懸念も存在します。今後の両国の関係、そして国際社会への影響に注目が集まります。