韓国、モバイルバッテリー機内持ち込みの新ルール導入で航空安全強化へ

韓国では、3月1日から国内線・国際線問わず、モバイルバッテリーの機内持ち込みに関する新たな規制が施行されます。これは、1月末に釜山・金海国際空港で発生したエアプサン機の炎上事故を受け、航空安全強化の一環として実施されるものです。

モバイルバッテリーの新ルール:機内持ち込みは座席前ポケットか身につける形で

今回の新ルールでは、モバイルバッテリーを頭上の棚に収納することが禁止されます。乗客は、座席前のポケットに入れるか、身につける形で持ち込む必要があります。この措置により、バッテリーの状態を常に把握しやすくし、万が一の異常発生時にも迅速な対応が可能になります。韓国国土交通省は、この規制は国際基準よりも踏み込んだ措置であるとしています。

エアプサンチェックインカウンターに出された通知エアプサンチェックインカウンターに出された通知

金海国際空港のエアプサンチェックインカウンターには、新しい規制に関する通知が掲示されています。

熱暴走のリスク低減に向けた対策

モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池は、ショートなどにより過剰な電流が流れると「熱暴走」を引き起こし、発火の危険性があります。日本の国土交通省もこのリスクを認識しており、預け入れ荷物へのモバイルバッテリーの収納を禁止しています。機内持ち込みも小型のものに限定されていますが、韓国のように棚への収納禁止までは定めていません。

韓国の新ルールでは、熱暴走のリスクを最小限に抑えるため、モバイルバッテリーを金属と接触させないよう、一つずつ袋に入れて保管することが求められます。また、機内電源からの充電も禁止されます。バッテリーが過熱したり膨張したりした場合には、直ちに乗務員に報告する必要があります。

電子タバコにも同様の規制適用

過去5年間で米国で90件の発煙が確認されている電子タバコも、モバイルバッテリーと同様に持ち込み制限の対象となります。一方、バッテリーを含んだパソコンやタブレットについては、新たな規制は設けられていません。

炎上したエアプサン機炎上したエアプサン機

1月末に金海国際空港で炎上したエアプサン機。上部が損傷している様子が分かります。

利用者の声:安全のための協力姿勢

既に同様の規制を導入しているエアプサン機に搭乗した釜山市の女性会社員(56)は、「旅行ではモバイルバッテリーは必需品。最近の航空機事故は怖いので、細かい案内にも従い、気を付けて搭乗したい」と話しています。

専門家の見解

航空安全コンサルタントの田中一郎氏(仮名)は、「モバイルバッテリーの安全な取り扱いは、航空安全にとって非常に重要です。韓国の新ルールは、乗客と乗務員の意識向上を促し、事故防止に繋がるでしょう」と述べています。 また、旅行ジャーナリストの佐藤美香氏(仮名)は、「旅行者にとってモバイルバッテリーは欠かせないアイテムですが、安全を最優先する必要があります。新しいルールを理解し、協力することが大切です」とコメントしています。

まとめ

韓国のモバイルバッテリー持ち込み新ルールは、航空安全を強化するための重要な一歩です。旅行者は、事前に新しいルールを確認し、安全な空の旅を心がけましょう。