高齢歩行者の転倒事故…運転手の責任はどこまで?ドライブレコーダー映像が波紋

高齢者が車の近くで転倒した場合、運転手に責任はあるのでしょうか?韓国で起きたある事例を基に、ドライブレコーダー映像と弁護士の見解、そしてネット上の様々な意見を交えながら、この難しい問題を考えてみましょう。

韓国で起きたある転倒事故

韓国のYouTubeチャンネル「ハン・ムンチョルTV」で、あるドライバーのエピソードが話題になっています。彼は前方を歩く3人の高齢女性に気づき、速度を落として走行していました。ドライブレコーダーの映像には、1人が道端に避け、隣を歩いていた女性が転倒、さらに後ろの女性も後ずさりして転倒する様子が映っています。

高齢女性が転倒する様子を捉えたドライブレコーダーの画像高齢女性が転倒する様子を捉えたドライブレコーダーの画像

ドライバーは「軽い打撲だと思っていたが、1人は手首を骨折し入院、手術が必要になった」と語り、保険会社から自身の過失が80%と告げられたことに困惑しています。「ゆっくり走行し、クラクションも鳴らしていないのに、なぜ自分に過失があるのか納得できない」と訴えています。

弁護士の見解とネット上の反応

ハン・ムンチョル弁護士は「クラクションや急発進・急ブレーキもなく、治療費は健康保険で処理すべきで、ドライバーに過失はない」と主張。さらに、保険会社の対応を「契約者ではなく相手側の味方をしているようだ」と批判しています。

この件に関して、ネット上では様々な意見が飛び交っています。弁護士に賛同する声がある一方で、「高齢者のすぐ後ろを走行するのは危険」「歩行者優先で慎重に運転すべき」など、ドライバーの責任を問う声も上がっています。

運転手の責任はどこまで?

この事例のように、車との接触がない転倒事故の場合、運転手の責任を判断するのは非常に難しい問題です。高齢者の場合、予期せぬ行動をとる可能性も考慮しなければなりません。

例えば、日本の交通事故鑑定人、山田一郎氏(仮名)は「高齢者の歩行には予測困難な動きが多く、ドライバーはより一層の注意が必要。今回のケースでは、ドライバーが十分な車間距離を保っていたか、周囲の状況を的確に把握していたかが争点となるだろう」と指摘しています。

安全運転の意識を高めるために

高齢者の歩行者事故を防ぐためには、ドライバーの安全運転意識の向上が不可欠です。特に、高齢者を見かけた際は速度を落とし、十分な車間距離を保つことが重要です。

高齢者と車のイラスト高齢者と車のイラスト

また、高齢者自身も交通ルールを守り、周囲の状況をよく確認しながら歩行することが大切です。交通事故は誰にでも起こりうるということを常に意識し、安全な行動を心がけましょう。

この事例は、ドライバーと歩行者双方にとって、交通安全の重要性を改めて認識させるものと言えるでしょう。