2023年7月、札幌市ススキノのホテルで起きた凄惨な事件。頭部を切断された男性の遺体が発見され、逮捕された親子3人のうち、父親である田村修被告(61)の裁判員裁判が注目を集めています。殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われた修被告は、3月12日に判決を迎えます。本記事では、2月18日に結審した公判の内容を基に、事件の背景や修被告の心境に迫ります。
茫然自失の修被告：裁判長の指摘「正直、感情が見えない」
修被告と娘・瑠奈被告
公判において、修被告は被害者と遺族に対して謝罪の言葉を述べました。しかし、その言葉からはどこか現実感の欠如が感じられました。裁判長からも「正直、感情が見えない」と指摘されたように、修被告の口調は淡々としており、事件の重大さと向き合っているようには見えませんでした。まるで他人事のように語る姿は、傍聴席にいた人々に強い違和感を抱かせました。
異様な生活環境：ゴミ屋敷と化した自宅
修被告の自宅は、娘である瑠奈被告(31)の荷物で溢れかえり、寝る場所すら確保できない状態だったといいます。そのため、修被告は事件当時、ネットカフェなどで寝泊まりしていました。しかし、足の悪い母・浩子被告(62)の代わりにゴミ出しや買い物をするため、毎朝のように自宅に立ち寄っていたそうです。
公判で明らかになった修被告の生活環境は、驚くべきものでした。キッチンは物が溢れ、水も出ない状態。野菜を洗うにも洗面台の水を使うしかなく、壊れたボイラーも修理できないまま放置されていたといいます。修被告は「物が多すぎて修理業者も呼べない」と語っており、ゴミ屋敷と化した自宅で精神的に追い詰められていた様子がうかがえます。
事件現場となったススキノのホテル
修被告は、カーポートに置かれたキャンプ用品で湯を沸かし、母に差し入れていたと証言しました。このような異常な生活環境が、事件の遠因となった可能性も考えられます。
精神科医の見解（架空）：環境要因が精神状態に影響
精神科医の佐藤先生（仮名）は、「ゴミ屋敷のような劣悪な生活環境は、精神状態に大きな影響を与える可能性があります。特に、長期間にわたってそのような環境に置かれると、正常な判断力が低下し、衝動的な行動に走りやすくなることも考えられます」と指摘しています。
修被告の公判は結審し、判決は3月12日に言い渡されます。事件の真相究明とともに、今後の判決に注目が集まります。
