刺身16万円分を無断キャンセル!韓国で「ノーショー被害」が物議、悪質な客に非難殺到

韓国で、刺身のテイクアウト専門店が16万円相当の注文を無断キャンセルされる被害に遭い、波紋を広げている。この出来事は、韓国の放送局JTBCの番組「事件班長」で取り上げられ、悪質な客の行為に非難が殺到している。

16万円の刺身が無残にも… 被害店主の悲痛な叫び

京畿道九里市で20年間、刺身のテイクアウト専門店を営む50代の店主。2月22日、16万円相当の大ハマチ、ヒラメ、サーモンなどの注文を受け、午後6時半に取りに来るという客との約束を心待ちにしていた。しかし、約束の時間を過ぎても客は現れず、連絡も途絶えたままだった。

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店主がメッセージを送ると、「急用で行けなくなりました」との返答。すでに調理済みの刺身を前に、店主は「既に用意しているのでキャンセルはできない。料金は払ってほしい」と伝えた。しかし、客は「注文した覚えはない」と驚くべき返答。電話で直接抗議しても、「私は注文していません」としらを切り、しまいには「はは……すみません」と笑う始末。最終的に「いや、違います。すみません」と言い残し、一方的に電話を切ったという。その後、店長の番号はブロックされ、調理済みの刺身は廃棄せざるを得なかった。

悪質なノーショー、法的責任は?弁護士の見解

番組制作スタッフが客に電話で取材を試みると、「事前決済もしていない。確定した注文ではない。他の店に聞いたら、電話注文ぐらいなら問題にならないと言っていた」と責任逃れの姿勢を見せた。

この件について、番組に出演したパク・ジフン弁護士は、「ノーショー自体が契約違反とみなされるため、損害賠償の法的義務がある」と指摘。電話での注文であっても、口頭での契約は成立するとし、店側に損害が発生した以上、客には賠償責任があると説明した。

ネット上で非難殺到「厳罰に処すべき」の声

この報道を受け、韓国のネット上では「嫌がらせだろう。笑いながら話しているのが怪しい」「寛大な対応をせず、厳しく罰してほしい」「飲食店経営者の苦労を理解していない」など、客に対する非難の声が殺到している。

韓国では、近年ノーショー被害が深刻化しており、飲食店経営者にとって大きな悩みの種となっている。今回の事件は、改めてノーショー問題の深刻さを浮き彫りにし、社会全体で対策を考える必要性を示唆している。

ノーショー防止策、私たちにできることは?

飲食店を守るため、そして美味しい料理を未来に残していくため、消費者一人ひとりがノーショー問題について真剣に考え、責任ある行動をとる必要がある。予約の際は、キャンセルの連絡を適切に行う、やむを得ない事情でキャンセルする場合は誠意をもって対応するなど、飲食店への配慮を忘れずにいたい。

フードロス削減の観点からも、予約は計画的に、そしてキャンセルは速やかに、を心がけたいものだ。 専門家の中には、「予約時にクレジットカード情報の登録を義務化する」「ノーショーした客の情報を共有するシステムを構築する」といった対策を提案する声もある。