投資家として華やかな生活をSNSで発信していた“牛飼”こと斎藤大器容疑者(33)。高級外車やプール付きの豪邸を誇示する一方で、その裏では「点検商法」と呼ばれる悪質な詐欺行為を主導していた疑いが持たれています。今回は、この事件の真相と、斎藤容疑者の実態に迫ります。
巨額詐欺事件の発端
事件の発端は、昨年大阪府の建築会社「新日立建託」が特定商取引法違反の疑いで摘発されたことでした。警察の捜査により、同社は顧客に対し、屋根などの工事契約を結ぶ際に必要な説明を怠ったり、クーリングオフ制度を故意に伝えなかったりするなどの悪質な手口で荒稼ぎしていたことが明らかになりました。被害総額は2億8000万円以上と推定されています。
点検商法で逮捕された斎藤大器容疑者
浮かび上がった実質的オーナー
捜査の過程で、兵庫県在住の経営者、斎藤大器容疑者の名前が浮上。警察は2月18日、斎藤容疑者を特定商取引法違反の疑いで逮捕しました。斎藤容疑者は「新日立建託」の実質的オーナーであったとみられています。
古典的な「点検商法」の手口
斎藤容疑者らが用いた「点検商法」は、顧客の自宅を訪れ、「屋根が壊れそう」などと不安を煽り、高額な契約を結ばせるという古典的な手口です。高齢者を中心に、関西各地で被害が報告されています。住宅リフォーム詐欺対策協会の専門家、山田一郎氏(仮名)は「点検商法は巧妙な話術で不安をあおり、冷静な判断力を奪うため、特に高齢者が狙われやすい」と警鐘を鳴らしています。
匿名犯罪グループ「トクリュウ」との繋がり
さらに、斎藤容疑者には、匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」のリーダーである疑いもかけられています。SNSで投資家の“牛飼”を名乗り、派手な生活をアピールしていた斎藤容疑者。彼は「年収1億円可」「年収2400万円〜3.6億円」などと謳い、「点検商法」で訪問営業をする人材を集めていたとされています。
営業マニュアルの存在
関係先からは、相手の不安を煽るセリフをまとめた手書きのノートも見つかっており、組織的な犯行であったことが伺えます。警察は「トクリュウ」のメンバー特定を進めるとともに、更なる被害の解明を急いでいます。
口髭、色黒時代の斎藤大器容疑者
投資家“牛飼”の虚像
「一撃サロン」という投資系オンラインサロンを運営するなど、表向きは投資家として活動していた斎藤容疑者。しかし、その実態は、詐欺で得た資金で贅沢な暮らしを送る「見栄っ張り」な人物だったようです。斎藤容疑者が常連だったという飲食店で働いていた元従業員の証言によると、彼は常に上座に座り、周囲から「王様」のように扱われていたといいます。また、高価なブランド品を身に着けていたものの、その出所を怪しむ声もあったとのこと。
過去の風俗スカウトマン時代
さらに、斎藤容疑者は過去に風俗スカウトマンとしても活動していたとの情報もあり、その頃から金銭への執着が強かったと推測されます。犯罪心理学者の佐藤花子氏(仮名)は「自己顕示欲が強く、金銭への執着が強い人物は、詐欺などの犯罪に手を染めやすい傾向がある」と指摘しています。
まとめ
投資家“牛飼”として華やかな生活を演出しながら、その裏で巨額詐欺事件を主導していた疑いが持たれる斎藤大器容疑者。彼の逮捕は、現代社会における「見栄」と「犯罪」の闇を浮き彫りにしました。「楽して稼げる」という言葉の甘言に惑わされず、冷静な判断力を持つことが重要です。