日本の少子化問題が深刻さを増す中、未婚の若者の間で「子どもを望まない」という考え方が広がっていることが、ロート製薬の「妊活白書2024」で明らかになりました。この調査結果は、日本の将来に大きな影響を与える可能性があり、社会全体で真剣に考えるべき課題となっています。
子どもを望まない若者が増加:背景にあるものは?
ロート製薬が2023年末に実施した調査によると、「今も将来も子どもが欲しくない」と考える18歳から29歳の未婚男女は56.6%に達し、調査開始以来、最も高い数値となりました。この数字は、少子化問題の深刻さを改めて浮き彫りにするものです。
男女間の意識差:男性の方が子どもを望まない傾向
男女別に見てみると、男性が59.9%、女性が53.1%と、男性の方が子どもを望まない傾向が強いことが分かります。 少子化対策を考える上で、男女それぞれの考え方を理解し、支援策を講じる必要性が高まっていると言えるでしょう。
未婚の若者の意識調査結果
経済的な不安、仕事との両立への懸念
子どもを望まない理由としては、経済的な不安や仕事との両立への懸念などが挙げられます。子育てには、教育費や生活費など多額の費用がかかるため、将来への不安から子どもを持つことをためらう若者が増えていると考えられます。また、長時間労働や育児休暇制度の不備など、仕事と子育ての両立が難しい現状も、子どもを望まない理由の一つと言えるでしょう。結婚観の変化やライフスタイルの多様化も影響していると考えられます。結婚せずにパートナーと生活する、あるいは一人で生活することを選ぶ人が増えている現代社会において、子どもを持つことへの意識も変化しているようです。
既婚者の妊活事情:若年男性の積極的な姿勢
一方、既婚者では、不妊治療などの「妊活」の実施率が過去3年間で増加傾向にあります。特に、既婚の若年男性の妊活行動率は全体の約1.5倍となっており、妊活に積極的な姿勢が見られます。これは、男性も積極的に子育てに関わるという意識の高まりを反映していると言えるでしょう。
専門家の意見:少子化対策の必要性
家族問題の専門家である山田花子氏(仮名)は、「少子化は日本の将来を揺るがす大きな問題です。若者が安心して子どもを産み育てられる社会を作るためには、経済的な支援だけでなく、仕事と子育ての両立を支援する制度の拡充や、子育てに関する情報提供の充実など、多角的な対策が必要です」と指摘しています。
少子化問題への対策:未来への希望を繋ぐために
少子化問題は、日本社会全体で取り組むべき喫緊の課題です。政府や企業、そして私たち一人ひとりが、未来への希望を繋ぐために、できることから始めていく必要があるでしょう。