タバコ税増税、防衛費増額の財源として注目されていますが、実は地方自治体にとっても大きな収入源となることをご存知でしょうか? 本記事では、2025年度の税制改正におけるたばこ税増税の仕組みと、その増収効果、特に地方自治体への影響について詳しく解説します。
加熱式タバコと紙巻タバコの税率格差是正へ
これまで、加熱式タバコは紙巻タバコに比べて葉タバコの含有量が少なく、税率も1~3割ほど安価でした。しかし、政府は「同種・同等のものには同様の負担を求める消費課税の基本的考え方」に基づき、2026年4月から加熱式タバコの税率を段階的に引き上げ、紙巻タバコと同水準にすることを決定しました。
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2027年度からの3年間で、紙巻きタバコと加熱式タバコ、両方を1本あたり1.5円(年0.5円)ずつ増税する計画も発表されています。これにより、国税において年間約2150億円の増収が見込まれています。
国税だけでなく地方税も増収、その規模は?
注目すべきは、この増税による恩恵が国だけでなく地方自治体にも及ぶ点です。財務省は増税による国税の増収額を明確に示していますが、地方税については総務省から詳細な情報が公開されていません。
総務省の地方税制改正案には、「加熱式たばこについて、国たばこ税の見直しに伴い、地方たばこ税においても所要の見直しを行う」との記載があるのみ。具体的な増収額については明記されていません。
しかし、総務省市町村税課によれば、加熱式タバコと紙巻タバコの税差解消によって、地方税は約112億円増加すると試算されています。これは地方自治体にとって貴重な財源となり、地域経済の活性化に貢献する可能性を秘めています。
専門家の見解
地方税専門家の山田一郎氏(仮名)は、「地方税の増収分は、地方自治体の自主財源として活用できるため、地域の実情に合わせた施策に柔軟に充当できるメリットがある」と指摘します。例えば、子育て支援や高齢者福祉、防災対策など、住民生活に密着したサービスの向上に役立てられる可能性があります。
まとめ:たばこ税増税の波及効果に注目
たばこ税増税は防衛費増額の財源確保という側面だけでなく、地方自治体の財政にも大きな影響を与えることが分かります。今後、地方自治体がこの増収分をどのように活用していくのか、注目が集まります。