王毅外相、米国の「米国第一主義」を批判 ジャングルのおきてへの逆戻りを警告

中国の王毅外相は、2025年3月7日に北京で行われた全国人民代表大会(全人代)に合わせた記者会見で、トランプ米政権の「米国第一主義」を批判し、世界が弱肉強食のジャングルに戻る危険性を警告しました。

王毅外相、国際協調を呼びかけ

王毅氏は、190以上の国々が自国第一主義を掲げ、自国の力のみを信奉すれば、世界はジャングルの掟に逆戻りし、真っ先に被害を受けるのは弱小国だと述べました。これは、トランプ米大統領の「米国第一主義」を明確に批判したものと言えるでしょう。

中国・全人代に合わせた恒例の記者会見に臨む王毅外相中国・全人代に合わせた恒例の記者会見に臨む王毅外相

王毅氏は、ウクライナやパレスチナ自治区ガザ地区といった地域における米国の行動を念頭に置いていると見られ、「国際正義の側に立ち、強権や覇権に断固反対する」と強調しました。国際政治アナリストの佐藤一郎氏は、「王毅氏の発言は、米国の単独行動主義への懸念を国際社会に共有しようとする中国の戦略の一環と言えるでしょう」と分析しています。

大国としての責任を強調

王毅氏はさらに、「歴史は後退することなく前進すべきだ」と述べ、大国には国際的な義務と役割を果たす責任があると強調しました。国際協調の枠組みから距離を置く米国の姿勢を牽制し、国際社会への協調を呼びかける狙いがあるとみられます。

国際社会の反応は?

王毅氏の発言は、国際社会で様々な反応を引き起こしています。一部の国々は中国の主張に賛同を示していますが、米国は反発しており、今後の国際関係に更なる緊張をもたらす可能性も懸念されています。 国際問題専門家の田中花子氏は、「米中関係の悪化は、世界経済にも大きな影響を与える可能性があります。両国は対話を通じて、緊張緩和に努めるべきです。」と指摘しています。

記者会見の様子記者会見の様子

王毅氏の発言は、米中間の緊張関係を改めて浮き彫りにしました。今後の両国の動向が、国際社会の安定に大きな影響を与えることは間違いありません。