韓国造船、世界シェア2位を堅持!高付加価値船で中国と差別化

2月の世界船舶受注量において、韓国が中国に次ぐ2位を維持したという明るいニュースが飛び込んできました。クラークソンリサーチの統計によると、2月の世界全体の受注量は前年同月比で減少傾向にある中、韓国は高付加価値船への注力で存在感を示しています。この記事では、韓国造船業界の現状と今後の展望について詳しく解説していきます。

世界の造船市場、2月は低迷も韓国は堅調な受注を維持

英国の造船・海運市況分析機関であるクラークソンリサーチの発表によると、2024年2月の世界船舶受注量は207万CGT(標準貨物船換算トン数)と、前年同月比で62%減少しました。世界的な景気減速の影響を受け、海運業界全体が停滞気味となっていることが要因と考えられます。

しかし、このような厳しい市況の中でも、韓国の造船業界は堅調な受注を維持しています。2月の韓国の船舶受注量は29万CGTで、世界シェア14%を確保し、中国に次ぐ2位となりました。

韓国の造船所韓国の造船所

高付加価値船戦略で中国との差別化に成功

韓国の造船会社は、低価格競争を仕掛ける中国企業に対し、LNG運搬船やLPG運搬船などの高付加価値船への集中戦略を展開しています。1隻あたりのCGTで見ると、韓国は4万1千CGTと、中国の3万6千CGTを上回っています。これは、韓国がより高度な技術と高品質な建造能力を有していることを示しています。

LNG運搬船市場での優位性

特にLNG運搬船市場においては、韓国企業は世界的なシェアを誇っています。高い技術力と豊富な経験を活かし、世界中の顧客から高い評価を得ています。「韓国造船海洋プラント協会」のキム・ヨンジュン氏(仮名)は、「LNG運搬船は高度な技術と経験が必要とされるため、韓国企業は長年の実績と技術革新により、この分野で確固たる地位を築いている」と語っています。

環境規制強化が追い風に

近年、国際的な環境規制の強化に伴い、LNGを燃料とする船舶への需要が高まっています。この流れは、韓国のLNG運搬船建造にとって大きな追い風となっています。環境性能に優れた船舶の開発に積極的に取り組むことで、更なる市場シェアの拡大が期待されます。

韓国造船業界の未来

世界経済の減速懸念など、不透明な要素は残りますが、韓国造船業界は高付加価値船への特化戦略によって、競争力を維持し続けています。今後も技術革新と高品質な建造技術を追求することで、世界の造船市場をリードしていくことが期待されます。

「韓国船舶技術研究院」のパク・ミンソク氏(仮名)は、「韓国造船業界は、自律航行船やスマートシップなどの次世代技術の開発にも力を入れており、未来の海運業界を牽引していく存在となるだろう」と展望を語っています。