ウクライナ東部ドブロピルリャ、ロシア軍の攻撃で甚大な被害:市民11人死亡、子供含む40人負傷

ウクライナ東部ドネツク州のドブロピルリャで、2025年3月7日夜に発生したロシア軍の攻撃により、甚大な被害が出ています。住宅密集地が標的となり、多くの市民が犠牲になりました。この記事では、攻撃の状況、被害の規模、そして国際社会の反応について詳しくお伝えします。

ロシア軍の攻撃、ドブロピルリャを襲う

平和な日常が突如として破壊されました。3月7日夜、ドネツク州ドブロピルリャの住宅密集地は、ロシア軍の無慈悲な攻撃にさらされました。弾道ミサイル、多連装ロケットシステム、ドローンなど、複数の兵器が使用されたとみられています。ウクライナ検察の発表によると、攻撃による死者は11人に達し、負傷者は40人にものぼり、その中には6人の子供も含まれています。

ウクライナ東部ドネツク州ドブロピルリャで、ロシア軍の攻撃を受けた住宅地で活動する消防隊員ウクライナ東部ドネツク州ドブロピルリャで、ロシア軍の攻撃を受けた住宅地で活動する消防隊員

住宅密集地が標的に:甚大な被害の実態

今回の攻撃は、住宅密集地を標的にしたことで、甚大な被害をもたらしました。5階建ての建物8棟が被害を受け、行政庁舎も破壊されました。さらに、車両30台も損傷し、救助活動に当たっていた消防車も被害を受けました。これは、紛争下における民間人への深刻な影響を示す痛ましい事例です。

ダブルタップ戦術の疑い:非人道的な攻撃の実態

今回の攻撃では、「ダブルタップ戦術」が用いられた疑いが出ています。これは、最初の攻撃の後、救助隊が到着したタイミングを見計らって再び攻撃を加えるという、非人道的な戦術です。この戦術は、救助活動の妨害と被害の拡大を意図したものであり、国際社会から強い非難の声が上がっています。

ゼレンスキー大統領、国際社会への訴え

ウクライナのゼレンスキー大統領は、この攻撃についてSNSで言及し、ロシアの目的が変わっていないことを改めて強調しました。「命を守り、防空態勢を強化し、ロシアに対する制裁を強めることが決定的に重要だ」と国際社会に訴えました。 専門家の中には、今回の攻撃は民間人を標的にした戦争犯罪に該当する可能性があると指摘する声もあります。例えば、国際人道法の専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「国際人道法は民間人の保護を最優先事項としており、今回の攻撃は明らかな違反である」と述べています。

ドブロピルリャ:最前線に近い街の悲劇

ドブロピルリャは、全面侵攻開始前の人口が約2万8千人の街です。ロシア軍があと数キロまで迫るドネツク州の要衝ポクロウスクから、約20キロ北に位置しており、最前線に近いことから、常に攻撃の脅威にさらされています。今回の攻撃は、ウクライナ東部における緊張の高まりを改めて示すものとなりました。