韓国では、自営業者数が減少の一途をたどっており、経済の不安定さを浮き彫りにしています。この記事では、その現状と背景にある要因、そして専門家の見解を詳しく解説します。
減少する自営業者数：その深刻な現状
韓国統計庁の発表によると、2024年1月の自営業者数は550万人と、新型コロナウイルス流行後の最低水準を記録しました。エンデミック移行後、一時的に回復の兆しを見せていたものの、2023年11月と比較すると、わずか2ヶ月で20万人以上も減少しています。この数値は、アジア通貨危機やリーマンショック時よりも深刻で、韓国経済にとって大きな懸念材料となっています。
韓国の空き店舗
背景にある経済低迷と物価高騰
専門家たちは、この自営業者数の減少は、長引く内需不振と物価高騰によるものだと分析しています。中央大学の李正熙教授（経済学）は、「コロナ禍で定着した消費控えの傾向が続いている上に、物価高と高金利が追い打ちをかけ、自営業者の経営を圧迫している」と指摘しています。飲食店経営者の中には、「売上はコロナ禍前に戻らないのに、仕入れ値は上がり続ける一方だ」と嘆く声も聞かれます。
コロナ禍後の消費行動の変化
コロナ禍を経て、消費者の行動は大きく変化しました。外食を控える傾向が定着し、デリバリーやテイクアウトを利用する人が増加しています。この変化に対応できないまま、経営難に陥る自営業者も少なくありません。
専門家の見通しと今後の課題
専門家は、この状況は今後も続くと予測しており、更なる対策が必要だと訴えています。韓国経済人協会の調査によると、自営業者の多くが原材料費、人件費、賃料、融資返済に大きな負担を感じていることが明らかになりました。
政府の支援策と自営業者の自助努力
政府は、自営業者への支援策を強化する必要があります。同時に、自営業者自身も、新たなビジネスモデルの構築やコスト削減など、自助努力が求められています。
まとめ：持続可能な経済発展のために
自営業者数の減少は、韓国経済全体の活力を低下させる要因となります。持続可能な経済発展のためには、政府、企業、そして自営業者自身が一丸となって、この難局を乗り越えるための努力が必要不可欠です。
