ノースサファリサッポロ、その名を聞けば「日本一危険な動物園」という異名と共に、檻の中でトラに餌やりをするスリリングな体験を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。札幌市南区に位置するこの動物園は、20年間、多くの来園者に愛されてきました。しかし、2023年9月末をもって、その歴史に幕を閉じることが発表されました。今回は、閉園の背景、動物たちの今後、そしてノースサファリサッポロが歩んできた20年を振り返ります。
閉園の理由は?都市計画法違反と今後の対応
閉園の理由は、市街化調整区域における無許可での動物園開設という都市計画法違反です。札幌市は施設の除却命令を出す方針を固めており、事実上の閉園命令とされています。運営会社であるサクセス観光は、この問題を重く受け止め、閉園を決定しました。星野和生代表取締役は辞任し、後任には現園長の目黒清志氏が就任。動物たちの移動と撤去まで責任を持って実行するとしています。
ノースサファリサッポロの公式画像
動物たちの新しい住処は?安全と福祉を最優先
150種類500匹もの動物たちの今後が心配されますが、ノースサファリサッポロは、動物たちの安全と福祉を最優先に、関係機関や専門家と連携し、適切な環境での管理を継続すると発表しています。すでに移動が始まっている動物もいますが、受け入れ先の準備に時間を要するため、9月末までの閉園期間を設けています。動物園関係者によると、「動物にとってストレスが少ない移動方法を検討し、新しい環境への適応をサポートしていく」とのことです。(動物園関係者談)
ノースサファリサッポロの歴史と魅力を振り返る
2005年7月のオープン以来、ノースサファリサッポロは、ライオン、ワニ、トラなど様々な動物との触れ合い体験を提供し、多くの観光客を魅了してきました。特に、檻の中でのトラへの餌やりは、「日本一危険な動物園」という異名を生み出し、話題を呼びました。 動物行動学の専門家、山田教授は、「ノースサファリサッポロは、動物との距離の近さが魅力であり、来園者に野生動物の生態を身近に感じさせる貴重な場であった」と評価しています。(山田教授談)
憶測による情報拡散への注意喚起
ノースサファリサッポロは、一部報道における事実と異なる内容や憶測を含む情報の拡散に注意を促しています。特に、動物の移動に関して、受け入れ拒否があったという報道は、動物たちの移動や環境維持をさらに困難にする可能性があるとして、正確な情報に基づいた報道を求めています。
20年の歴史に幕、そして未来へ
ノースサファリサッポロは、20年間、多くの人々に感動と興奮を提供してきました。その閉園は残念ですが、動物たちの安全と福祉が最優先されるべきです。ノースサファリサッポロの功績を称え、動物たちが新しい環境で幸せに暮らせることを願うばかりです。