【台風19号】信濃川下流域救った大河津分水路に熱視線 資料館来館者増加

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 台風19号日本上陸から12日で1カ月が経過し、河川氾濫などで被害を受けた長野、新潟、山梨の各県は復興に向け歩み出している。新潟県では、信濃川を燕市で分け、長岡市の日本海岸まで流す人工水路「大河津分水路」の可動堰(ぜき)付近で過去最高水位を記録しながらも下流域での越水や決壊を防いだ。分水路の歴史や仕組みを紹介する「信濃川大河津資料館」(燕市)では関心を持った来館者が増え、防災意識の高まりを見せている。(池田証志、写真も)

 信濃川は長野県では千曲川と呼ばれ、全長367キロと日本一長い河川。流域に農作物の恵みをもたらしているが、過去には43人の死者を出した「横田切れ」(明治29年)と呼ばれる氾濫を越後平野で起こすなど、大きな水害も多かった。これを防ぐため、大河津分水路が造られた。明治42年に本格的な工事に着手、大正11年に通水した。

 信濃川が最も日本海に近づく燕市大川津で川の流れを分水路へ分け、長岡市寺泊海岸まで運ぶ。長さ約10キロ、幅は最長約700メートル。通常時は、毎秒270立方メートルの水を信濃川本流に流すが、洪水時は本流側の洗(あらい)堰(ぜき)を閉じることで分水路に流れを向け、下流域を氾濫から守る。

 分水路を所管する国土交通省信濃川河川事務所は台風19号が接近した後の13日午後1時から洗堰を閉鎖。3時ごろには、大河津分水路の分岐点付近の観測所で標高17・06メートルまで水位が上昇し過去最高を記録した。安全に水を流せる計画水位を上回る洪水だったが、新潟市を初め、加茂市、田上町などの下流域は被害を免れた。

 分水路は現在、改修工事中で河口から約3・3キロを拡幅し、令和14年度に完成する予定だ。同事務所の小幡淳副所長は「まさに今回の規模の台風に備えるための工事で、完成すれば下流域だけでなく、分岐から約15キロ上流まで水位を下げられる」と説明する。

 台風19号以降、分水路の運用に注目が集まると、資料館に足を運ぶ県民が増えだした。運営するNPO法人「信濃川大河津資料館友の会」の横山正二理事(75)は「台風から自分たちを守ってくれた分水路がどんなものか見てみようと訪れているようだ」と推測する。家族連れで展示を見ていた新潟市中央区の会社員、安田清秀さん(58)は「分水路のメカニズムや歴史を知りたいと思ってきた。よくできていて勉強になる」と関心した様子で語った。

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