ウクライナ軍、クルスク州スジャからの撤退を認める:戦況地図が示す支配地域の縮小とゼレンスキー大統領の警告

ウクライナ紛争の戦況は緊迫した状況が続いています。ウクライナ軍参謀本部が公開した最新の戦況地図によると、ロシア西部クルスク州への越境攻撃の拠点としていた要衝スジャからの撤退が確認されました。支配地域の縮小が鮮明になる中、ゼレンスキー大統領はロシア軍の更なる攻撃の可能性に警鐘を鳴らしています。

クルスク州におけるウクライナ軍支配地域の縮小

ウクライナ軍参謀本部がSNSに投稿した戦況地図は、クルスク州におけるウクライナ軍の支配地域が国境沿いの一部のみとなっていることを示しています。昨年8月に開始された越境攻撃では、一時東京23区の2倍以上に相当する約1300平方キロメートルを制圧していましたが、最近のロシア軍の反攻により劣勢を強いられています。米紙ニューヨーク・タイムズは、支配地域が16日時点で約80平方キロメートルまで縮小したと報じており、その深刻さが浮き彫りとなっています。

ロシア兵士が破壊された建物の中を歩く様子ロシア兵士が破壊された建物の中を歩く様子

ゼレンスキー大統領、ロシア軍の新たな攻撃の可能性を警告

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は15日、ロシア軍が国境沿いに兵力を集結させており、ウクライナ北東部スムイ州への攻撃の可能性があると警告しました。米国とウクライナが即時停戦案で合意し、ロシア側の対応が焦点となっている中で、ゼレンスキー大統領は「ロシアが戦争を続けようとしているのは明白だ」と強い懸念を示しました。国際社会は、更なる緊張の高まりを注視しています。

ウクライナの地図ウクライナの地図

スジャからの撤退と今後の戦況

ロシア国防省は13日にスジャの制圧を発表していましたが、ウクライナ軍は撤退を余儀なくされました。クルスク州における戦況は、ウクライナにとって厳しい局面を迎えています。今後の戦況の推移、そして和平交渉の行方が注目されます。

ゼレンスキー大統領ゼレンスキー大統領

専門家(国際戦略研究所 田中一郎氏:仮名)は、「スジャからの撤退はウクライナにとって痛手となるでしょう。しかし、これは戦略的な撤退である可能性も否定できません。今後のウクライナ軍の動きに注目する必要があります」と分析しています。