韓国の次世代を担う最新鋭イージス駆逐艦、KDDX。その1番艦建造企業の選定をめぐり、韓国防衛事業庁は頭を悩ませています。総額7兆8000億ウォンという巨額プロジェクトの行方は、いまだ不透明なままです。一体何が起きているのでしょうか?
KDDXとは?韓国海軍の未来を担う最新鋭イージス艦
KDDX(韓国型次期駆逐艦)は、2030年までに6000トン級の最新鋭イージス艦6隻を建造する、韓国の国家プロジェクトです。韓国海軍の近代化、そして地域の安全保障に大きな影響を与えるこの事業は、まさに韓国の未来を左右すると言っても過言ではありません。高度な戦闘システム、優れたステルス性能、そして強力な火力を持つKDDXは、周辺国の海軍力とのバランスを大きく変える可能性を秘めています。
受注争いは熾烈!HD現代重工業 vs ハンファオーシャン
この巨大プロジェクトの受注を巡り、韓国の造船大手2社、HD現代重工業とハンファオーシャンが熾烈な競争を繰り広げています。1番艦の建造企業は、後続艦5隻の受注、そして海外市場への進出においても優位に立つことが予想されるため、両社にとっては何としても勝ち取りたい案件です。
韓国次期駆逐艦KDDXのイメージ図
防衛事業庁は3月17日に防衛事業企画管理分科委員会を開催し、KDDX事業の推進案を審議しましたが、結論は持ち越しとなりました。随意契約、競争入札、共同開発など、様々な方式が検討されましたが、各委員の意見がまとまらず、4月初旬に改めて議論することになったのです。
随意契約か、競争入札か?不正コピー疑惑も影を落とす
防衛業界では、基本設計を担当したHD現代重工業が有利との見方が強いものの、過去にHD現代重工業がKDDXの概念設計図を不正にコピーした事件が影を落としています。ハンファオーシャンはこの事件を根拠に、公正な競争入札の実施を強く求めています。
韓国の軍事専門家、イ・ソンジン氏(仮名)は、「今回のKDDX事業は、韓国の防衛産業にとって極めて重要なプロジェクトです。透明性と公正性を確保し、国民の信頼を得ることが不可欠です」と指摘しています。
共同開発の可能性は?企業間の溝は深く、調整難航
共同開発という選択肢も検討されていますが、HD現代重工業とハンファオーシャンの間には深い溝があり、調整は難航しているようです。主導権の争いや利益配分をめぐり、両社の意見は大きく食い違っています。
韓国の造船所
KDDXの行方は?韓国防衛産業の未来を占う
KDDX事業の行方は、韓国の防衛産業の未来を占う試金石となるでしょう。受注企業の決定は、韓国海軍の近代化、そして地域の安全保障に大きな影響を与えることは間違いありません。今後の動向に注目が集まります。