平成28年4月の熊本地震で被災し、一部区間で運休が続いている第三セクター、南阿蘇鉄道(熊本県高森町)は13日、令和5年夏ごろに全線再開する見込みになったと発表した。同鉄道は立野駅(同県南阿蘇村)と高森(高森町)を結ぶ17・7キロの路線で、不通になっている立野-中松間(10・6キロ)を復旧させる。
不通区間の工事を4年度中に終えた上で、試運転などの安全確認を進めて全線で再開させる。社長を務める草村大成・高森町長は13日、熊本市で記者会見して「南阿蘇鉄道の(全線)復旧で、阿蘇地域のインフラがほぼ元に戻る。復旧時期を示せた意義は大きい」と強調し、被災後に落ち込んだ観光客数の回復に期待を込めた。
南阿蘇鉄道は震災後に運休し、平成28年7月に中松-高森間の7・1キロで運行を再開していた。観光客獲得のため、土曜と休日にトロッコ列車を走らせて人気を集めている。