
炎に包まれる山林(提供:足利市)
日差しも春めいて気温も上昇してきた。
これから新緑のシーズンとなり、山歩きにも適した季節を迎える。
しかし、栃木県足利市内の山では来月から、景色を眺めながらたばこで一服したり、腹ごしらえのカップめんのためにお湯を沸かしたりすることができなくなる。
■山火事防止に特化した条例が可決

足利市議会で条例が可決した
栃木県の足利市議会で24日、「足利市の美しい山林を火災から守る条例」が全会一致で可決した。
原則として市内にある山林の屋外で加熱式や電子たばこを含む喫煙を禁止するほか、焚き火はもちろん、ライターやコンロといった「炎が露出するもの」の取り扱いも禁止するといった踏み込んだ内容だ。
罰則はないが足利市がほかの自治体に同様の条例があるか総務省に問い合わせたところ「聞いたことがない」と言われたという。
筆者も山歩きが趣味で喫煙の習慣も身に付けているが、景色の良いところでたばこの煙をくゆらせながら沸かしたお湯で紅茶をたてる、そのようなことも山歩きの魅力のひとつと感じている。
それが足利市内の山ではできなくなる。
なぜなのか。
■1年前に大規模山火事、市民にも影響

炎に包まれる山林(提供:足利市)
足利市には子どもから高齢の方までがのんびり歩ける手頃な低山がいくつもある。
市によると、推定で年間のべ150万人がハイキングに訪れ、市も魅力発信の中で低山とハイキングを大きくアピールしている。
しかし去年2月、市の中心部に近い両崖山(りょうがいさん)で火災が発生、周辺の山林に延焼し自衛隊や隣県の防災ヘリから連日の散水活動が行われた。
鎮火まで実に23日間を要し、305世帯に避難勧告を発令。
高速道路が一部閉鎖になるなど、市民の生活にも大きな影響を及ぼした。
鎮火後の調査で、出火元とされる山頂近くの休憩所付近にたばこの吸い殻が数本あったことが分かり、市は火災の原因を「たばこと推定される」と発表していた。
■穏やかな表情を見せる川と山、足利市の新たな防災