自民党の石破茂元幹事長が新人議員に商品券を配った問題で、鈴木馨祐法務大臣が国会答弁で「野党にもスーツ仕立券を渡していたという話を聞いた」と発言し、物議を醸しています。約20年前の自身の初当選時の話として「野党対策」だったと説明した鈴木氏の発言に対し、野党側は「曖昧な記憶に基づく発言」と反発。さらに、自身も「月餅」配布問題を抱える鈴木氏の発言であることから、問題は泥沼化の様相を呈しています。
鈴木法相の発言と野党の反発
10月18日の衆院法務委員会において、立憲民主党の鎌田さゆり議員は、鈴木法相が初当選した2005年に当時の小泉純一郎首相からスーツ仕立券や商品券を受け取ったことがあるか質問しました。鈴木氏は「20年前のことで明確な記憶はない」としながらも、「当時、国会で混乱があった際に、野党議員にもスーツ仕立券を渡していたという話を聞いたことがある。そういう時代だった」と答弁しました。
鈴木馨祐法相(資料写真)
この発言に対し、鎌田議員は曖昧な記憶に基づく発言が議事録に残るのは不適切だとして訂正を求めましたが、鈴木氏は具体的な時期を明示せず、「野党対策だったと聞いたことがある。当時の状況を説明したまでだ」と繰り返しました。
「国対政治」との関連性?
鈴木氏が言及した「野党対策」は、与野党の国対委員長同士が密室で国会運営を決めていた1960~70年代の「国対政治」ではないかとの見方もあります。当時の国対政治では、様々な便宜供与が行われていたという証言も存在します。例えば、飲食業界のベテランコンサルタントであるA氏(仮名)は、「当時は様々な贈答品が議員間でやり取りされていたと聞いています。仕立券もその一つだったのでしょう」と語っています。
真偽不明の発言が波紋を広げる
旧民主党政権で官房副長官を務めた斎藤勁氏(元衆・参院議員)は、神奈川新聞社の取材に対し、「仕立券の話は国対政治の頃に週刊誌で読んだ程度。私の知る限りでは聞いたことがない。与党時代にもない」と証言しています。
国会の様子
鈴木氏の発言の真偽は定かではありませんが、過去の政治慣習に再び注目が集まるきっかけとなりました。 政治とカネの問題は常に国民の関心事であり、今回の騒動は今後の国会審議にも影響を与える可能性があります。 著名な政治学者、B教授(仮名)は、「政治家の発言は常に責任が伴います。特に過去の出来事について言及する際は、正確な情報に基づいて発言する必要があります」と指摘しています。
国民の政治不信を払拭するためにも、透明性の高い説明が求められています。