今年の邦画興行収入を席巻している『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、公開当初から驚異的なロケットスタートを切り、その最終的な興行収入がどこまで伸びるか注目されていました。しかし、公開から3週が経過し、その伸び率において国内歴代興行収入1位を記録した前作『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020年10月公開/404.3億円)と比較すると、鈍化の兆しが見え始めています。
劇場版「鬼滅の刃 無限城編」の記録的なスタートダッシュと初期実績
7月18日に封切られた『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』は、オープニング成績、初日成績、そして単日成績で歴代記録を次々と更新する快挙を達成しました。公開3日間で興行収入55.2億円、祝日を含む4日間では73.1億円という規格外の数字を叩き出しています。さらに、公開からわずか8日間で興行収入105億円を突破。これは前作の10日間という記録を上回り、日本映画史上最速の100億円超えという偉業です。そして、公開2週目には累計興行収入128.7億円(前週比133%増)、先週末の3週目(公開17日間)では176.3億円(前週比37%増)に到達し、早くも邦画・洋画を合わせた国内歴代興行収入ランキングでトップ10入りを果たしました。
大ヒット中の劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来のメインビジュアル
前作「無限列車編」の興行収入推移の軌跡
参考として、前作『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が興行収入300億円を達成するまでの推移を見てみましょう。
- 初週: 46.2億円
- 2週目: 107.5億円(前週比133%増)
- 3週目: 157.9億円(同47%増)
- 4週目: 204.8億円(同30%増)
- 5週目: 233.4億円(同14%増)
- 6週目: 259.1億円(同11%増)
- 7週目: 275.1億円(同6%増)
- 8週目: 288.4億円(同5%増)
- 9週目: 302.8億円(同5%増)
『無限列車編』は100億円達成に10日間、200億円に24日間、300億円に59日間、そして最終的に400億円達成には220日間を要しました。
両作品の興行収入ペース比較:伸び率に見る傾向
公開3週目までの累計興行収入を比較すると、『無限城編』(176.3億円、前週比37%増)は『無限列車編』(157.9億円、前週比47%増)を上回るペースで推移していることがわかります。しかし、その興行収入の「伸び率」においては、『無限城編』が前作よりも鈍化している点が顕著です。これは、初期の爆発的な記録更新は達成したものの、長期的なヒットの持続性という点で、前作とは異なる傾向を示している可能性を指摘しています。
結論
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、そのスタートダッシュで日本映画史に新たな記録を刻みました。しかし、公開3週目以降の興行収入の伸び率が前作『無限列車編』よりも緩やかになっていることは、今後の動向を占う上で重要なポイントとなります。この鈍化傾向が続くのか、それとも巻き返しを見せるのか、引き続きその最終興行収入に注目が集まります。