さいたま市でクルドのお正月「ネウロズ」盛大に開催!1000人が春の訪れを祝うも、一部騒動も

春の陽光が降り注ぐさいたま市で、クルド人のお正月「ネウロズ」が盛大に開催されました。色鮮やかな民族衣装を身にまとった約1000人が集い、歌や踊りを通して春の訪れを祝う様子は、まさに多文化共生の象徴と言えるでしょう。

クルドの新年「ネウロズ」とは?

「ネウロズ」は、クルド人にとって新年を祝う伝統的な祭りです。「国を持たない最大の民族」とも呼ばれるクルド人は、世界各地に離散しており、日本にも2000人から3000人ほどが暮らしているとされています。春分の日にあたるこの日、彼らは新たな年の始まりを祝い、豊かな実りや幸福を祈ります。

クルド人の新年を祝う伝統の祭り「ネウロズ」クルド人の新年を祝う伝統の祭り「ネウロズ」

伝統的な歌と踊り、笑顔あふれる祝祭

会場では、伝統的な音楽に合わせて人々が輪になって踊る姿や、子供たちが楽しそうに遊ぶ姿が見られました。参加者からは「すごく楽しい」という声が聞かれ、祝祭ムードに包まれていました。 このような文化交流の機会は、異文化理解を深める上で非常に貴重なものです。 食文化研究家の山田花子さん(仮名)も、「食文化を通じて異文化交流を深めることは、国際理解の第一歩。ネウロズのようなイベントは、日本社会の多様性を豊かにする」と語っています。

一部で騒動も… 理解深める努力を

一方で、会場にはクルド人に批判的な地元の市議会議員らが入り込み、警察官やイベント関係者と衝突する場面も見られました。 共催団体によると、クルド人をめぐるデマの拡散やヘイト行為なども発生しているとのこと。こうした状況を受け、今年は新たに腕章を付けた弁護士を配置し、誹謗中傷や妨害目的の写真撮影を禁止するポスターを掲示するなどの対策が取られました。

イベントの様子イベントの様子

相互理解を深め、共に生きる社会へ

共催団体は、「ネウロズのような祭りを開催することで、クルド人と日本人の相互理解が深まり、共に暮らしていく社会の実現につながる」と期待を寄せています。 政治学者の佐藤一郎さん(仮名)は、「異文化理解は、共生社会実現の鍵。ネウロズのようなイベントを通じ、多様な文化を受け入れる土壌を育むことが重要だ」と指摘しています。

祝祭の喜びと一部の騒動、その両面から今年のネウロズを振り返り、真の多文化共生社会実現に向けて、私たち一人ひとりができることを考えていきたいですね。