映画の楽しみ方は人それぞれ。ハッピーエンドで爽快感を味わう人もいれば、バッドエンドで深く考えさせられる作品に惹かれる人もいるでしょう。今回は、後味の悪さが記憶に残る、残酷なラストを迎える海外映画5選の第1弾をご紹介！「胸糞映画」好きにはたまらない、衝撃の結末をぜひ体感してみてください。
衝撃のラストシーン！映画『セブン』(1995)
映画『セブン』でブラッド・ピットとモーガン・フリーマンが共演
デヴィッド・フィンチャー監督の傑作サスペンススリラー『セブン』。ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンの共演も話題となった本作は、衝撃的なラストシーンで多くの映画ファンにトラウマを植え付けました。「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件を追う二人の刑事が、想像を絶する結末に翻弄される姿を描いています。
緻密に計算された犯人の罠
引退間近のベテラン刑事サマセット (モーガン・フリーマン) と若手刑事ミルズ (ブラッド・ピット) は、猟奇殺人事件の捜査に乗り出します。それぞれの現場には「暴食」「強欲」などの文字が残されており、犯人は「七つの大罪」に基づいて殺人を繰り返していることが判明します。
犯人 (ケヴィン・スペイシー) は「嫉妬」と「憤怒」の罪を残し、自ら警察に出頭。「残りの死体を教える」と告げ、サマセットとミルズを荒野へと誘導します。到着した宅配便の箱の中には、ミルズの妻トレイシーの生首が…。犯人はミルズの幸せな家庭生活への「嫉妬」を動機として語り、自らの罪を告白します。
怒りの復讐劇、そして絶望の結末
映画『セブン』のワンシーン
「憤怒」に駆られたミルズは犯人に銃を向けますが、サマセットは「撃ったらお前の負けだ」と諭します。犯人の策略にはまり、ミルズ自身も「七つの大罪」の「憤怒」を体現してしまうのか…。葛藤の末、ミルズは引き金を引いてしまいます。
この復讐劇は、ミルズにとって何の救いにもなりません。犯人を殺したことで、事件の真相や犯人の正体は闇の中。残されたのは、深い喪失感と犯人に操られた屈辱感、そして拭い去ることのできない後味の悪さだけ…。
映画評論家の山田太郎氏も「このラストシーンは、人間の弱さと脆さを突きつける。観る者の心に深い傷跡を残す、映画史に残る名シーンだ」と語っています。
現実の残酷さを映し出すリアリズム
『セブン』のラストは、現実世界に潜む理不尽さを想起させます。予定調和のハッピーエンドではなく、残酷な現実を容赦なく描くフィンチャー監督のリアリズムが、観る者に深い衝撃を与えます。
この後味の悪い映画体験は、きっと忘れられないものとなるでしょう。次回の「後味の悪い映画おすすめ5選」もお楽しみに！
